演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

大型胃GISTに対するイマチニブ術前補助療法の日韓共同第II相試験

演題番号 : WS2-1

[筆頭演者]
長 晴彦:1 
[共同演者]
黒川 幸典:2、益澤 徹:3、松本 壮平:4、本多 博:5、山本 和義:6、石川 卓:7、鍋島 一仁:8、下川 敏雄:9、廣田 誠一:10、西田 俊朗:11

1:がん・感染症センター都立駒込病院・外科、2:大阪大学・消化器外科、3:財団法人大阪府警察協会大阪警察病院・外科、4:奈良県立医科大学・消化器総合外科、5:公益財団法人仙台市医療センター仙台オープン病院・外科、6:独立行政法人国立病院機構大阪医療センター・外科、7:新潟大学・消化器一般外科、8:東海大学・消化器外科、9:和歌山県立医科大学・臨床研究センター、10:兵庫医科大学・病院病理部、11:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院

 

背景: 大型のGISTは術中の腫瘍破裂のリスクが高く、術後の再発率も高い。術前補助療法は再発リスクの低下ならびに臓器温存の両面で期待される治療戦略であるが、GISTに対する術前補助療法のエビデンスはほとんど存在しない。そこで大型の胃原発GISTに対するイマチニブ術前補助療法の有効性と安全性を検討する第II相試験を日韓共同で実施したので、その主たる解析結果について報告する。方法: 対象は、遠隔転移を有していない腫瘍径10cm以上の胃原発GIST。術前にイマチニブを400mg/日で6ヵ月間内服し、奏効維持症例に対しては9ヵ月までの延長を許容。R0切除が実施できた場合は、術後も1~3年間同量のイマチニブを内服継続する。Primary endpointはR0切除割合とし、閾値70%、期待値85%、α=0.05、検出力80%の設定にて、55例の登録を予定した。結果: 2010年2月から2014年9月の間に、日韓の計25施設から56例(日本34例、韓国22例)が登録された。1例が空腸原発、1例が同意撤回、1例が治療未実施であったため、53例が解析対象となった。治療開始前の腫瘍径の中央値は12.0cm(10.0-23.0cm)であり、53例中46例(87%)が6ヵ月以上の術前治療を完遂した。RECIST ver1.1での奏効率は62%(95%CI, 48-75%)、Choi規準での奏効率は98%(95%CI, 90-100%)であった。Grade 3-4の好中球減少を8%、Grade 3-4の皮疹を9%に認めたが、治療関連死は認めなかった。R0切除割合は91%(95%CI, 79-97%; P<0.001)であり、R0切除を施行できた48例中42例においては1/2以上の胃を温存できた。術後合併症は9例に認めたが、全例軽快退院した。追跡期間中央値32ヵ月の段階において、2年生存率および2年無増悪生存率はそれぞれ98%、89%であった。結語: 大型胃GISTに対する術前6~9ヵ月間のイマチニブ術前補助療法は高い有効性と安全性を示しており、有望な治療戦略と考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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