演題抄録

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開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

ICTを活用した経口抗がん剤の在宅服薬管理システムの有用性

演題番号 : WS12-1

[筆頭演者]
久田 真規子:1 
[共同演者]
桑田 直樹:1、秦 真由美:2、安田 純子:2、広田 将司:3、長瀬 博次:3、川瀬 朋乃:3,4、今村 博司:3

1:市立豊中病院・薬剤部、2:市立豊中病院・看護部、3:市立豊中病院・外科、4:市立豊中病院・化学療法センター

 

【はじめに】経口抗がん剤のアドヒアランスを高め、副作用を適切にマネージメントすることは治療成績に直結する重要な課題である。当院では2016年12月より、Information and Communication Technology(以下、ICT)を活用したアプリケーションソフトウェア(以下、アプリ)による経口抗がん剤の在宅服薬管理システムの運用を開始したので、その有用性について報告する。
【対象と方法】カペシタビン+オキサリプラチン併用療法(CapeOX療法:カペシタビン 2000mg/m2day1-14, オキサリプラチン130mg/m2day1, q3weeks)を行う胃癌患者で、本人または家族がICTツール(スマートフォン/パソコン)を所有し、文書にてインフォームド・コンセント(以下、IC)が得られた患者を対象として、当院で従来から運用してきた筆記式の自己服薬日誌の記載に加え、アプリを使って、服薬記録、副作用とその程度、その他疑問点などを患者またはその家族に入力してもらうこととした。その際、手足症候群などの在宅での副作用の状況を写真で添付送信することなども可能とした。医療スタッフ側は、外来化学療法室に専用端末を配備し、看護師が中心となって患者側の入力内容を毎日確認することとした。また、医療スタッフは自前のスマートフォンで服薬状況に関する情報を共有できるようにし、必要に応じて、患者の疑問点や副作用に対するアドバイスなどを、アプリを用いて返信するようにした。
【結果】2017年4月現在までに胃癌に対してCapeOX療法を施行した4例のうちICTツールを所有していた2例に文書によるICが得られたので、本システムを導入することとした。2例とも、必要に応じて患者またはその家族によってアプリを用いた服薬記録や副作用に関する情報の入力が行われた。また、患者からの疑問点に対して医療スタッフ側から返信することで服薬アドヒアランスは高く維持されていた。
【まとめ】ICTを活用した在宅服薬管理システムによって、服薬状況や副作用を、リアルタイムに患者やその家族と医療スタッフとの間で情報共有できるようになった。また、在宅中の患者の疑問や副作用に対しても迅速に対応することができた。さらに、自宅にいながら医療スタッフに色々な質問や要望を送信できるため、患者も安心して治療が継続できたのではないかと考えられた。今後も症例を重ね、ICTを活用した在宅服薬管理システムの有用性について検討を行っていく予定である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:チーム医療

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