演題抄録

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開催回
第55回・2017年・横浜
 

腹膜播種胃癌に対する腹腔内化学療法:当院における71症例についての後方視的検討

演題番号 : WS1-7

[筆頭演者]
岡村 直香:1 
[共同演者]
辻 靖:1、大岩 修太朗:1、吉田 将大:3、高山 歳三:1、田中丸 真希:1、杉山 絢子:1、住吉 徹哉:3、平山 眞章:3、由崎 直人:3、近藤 仁:3、奥芝 俊一:2

1:斗南病院・腫瘍内科、2:斗南病院・外科、3:斗南病院・消化器内科

 

<背景>
腹膜播種胃癌に対する腹腔内化学療法(intraperitoneal paclitaxel:ip PTX)の臨床的意義については、近年標準的全身化学療法と比較した第Ⅲ相試験(PHOENIX-GC)が行われ、その有効性が報告されている。今回我々は当院で腹腔内化学療法を行った症例の治療経過について報告する。

<方法>
2012年2月から2016年12月までの間に腹腔内化学療法を行った、腹膜播種胃癌71症例について、後方視的に解析した。PFSとOSは前治療歴によって層別化し、解析した。

<結果>
71例のうち、31例は未治療で、40例は腹腔内化学療法を除く化学療法治療歴を有した。また、29例(40.8%)は腹膜播種再発以前に原発巣切除が行われた。腹腔内化学療法のレジメは、前治療歴・PSなどによって決定した。Ip PTX+経口S-1/静脈内PTXによる治療が最も多く32例、ip PTX+静脈内PTXによる治療は15例、ip PTXのみが8例であった。残りはip PTXとその他の抗癌剤による治療を行った。抗癌剤未治療群におけるPFS中央値は7.0ヶ月、OS中央値は11.0ヶ月であった。既治療群におけるPFS中央値は4.4ヶ月、OS中央値は7.9ヶ月であった。6例(8.5%)において、完全寛解が得られ、conversion surgeryが可能であった。3例で術後12ヶ月以上(12.0~28.0ヶ月)経過しての再発がみられ、残りの3例においては観察期間中央値18.3ヶ月(12.0~29.3ヶ月)において、術後再発なく経過している。腹腔内化学療法における有害事象としては、ip PTX+経口S-1/静脈内PTXによる治療において、白血球減少・好中球減少・貧血がみられ、うちgrade3-4の有害事象の割合はそれぞれ25.0%・46.9%・28.1%であった。腹腔内化学療法レジメはどれも耐容可能であり、治療関連死は認めなかった。

<結語>
腹腔内化学療法は、腹膜播種合併胃癌に対して有望かつ有効な治療選択肢であると考えられる。特にconversion surgeryを達成可能であった複数の症例においては、長期間の生存が可能であった。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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