演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

胃癌腹膜転移に対するタキサン腹腔内投与の種類別効果と腹腔内2次治療

演題番号 : WS1-5

[筆頭演者]
廣野 靖夫:1 
[共同演者]
成瀬 貴之:1、西野 拓磨:1、呉林 秀崇:1、横井 繁周:1、藤本 大裕:1、森川 充洋:1、小練 研司:1、村上 真:1、前田 浩幸:1、片山 寛次:2、五井 孝憲:1

1:福井大学・医学部・第1外科、2:福井大学・医学部附属病院・がん診療推進センター

 

【目的】胃癌における腹膜転移は治癒を困難にしている最大の因子である.我々も参加したPHOENIX-GC試験の結果がASCO2016で発表され,胃癌腹膜転移に対する治療としてpaclitaxel(PAC)の腹腔内投与(IP)併用化学療法はSP療法に対し有意な優越性は示せなかったが良好な成績を収めた.今後PAC IPが保険適応になる期待がある.しかし薬剤やレジメンの種別効果の比較や2次治療以降での検討はなされてない.我々は2002年からタキサンIPを行っており,1次治療及び2次以降の治療として施行されたタキサンIPについて検討した.

【方法】対象はタキサンIPを施行した播種陽性胃癌40例(P2 2例,P3 33例,P再発5例)で、PAC IP based レジメンを先行した19例(PAC群)とDocetaxel IP (DOC IP) basedレジメンを先行した21例(DOC群)の予後を中心に比較検討した.多剤併用全身化学療法はPAC IPではS-1+PAC,DOC IPではDCSが中心に行われた.タキサンIPは臨床研究として学内審査を受け,文書によるICのもと施行された.

【結果】PAC群の1年生存率は68%,DOC群は70%で両群の予後に差は認めなかった.タキサンIP に併用する全身化学療法として,2-3剤併用療法と以前施行していたS-1単独療法の比較ではPAC IP,DOC IPいずれの場合も多剤併用療法群が予後良好であった.Adjuvant surgeryの効果を検討すると有意差は認めないが3年以上の長期生存例には全て郭清を伴う胃切除が行われていた.IPの1次治療の平均施行期間はS-1単独療法と併用した場合,PAC群142日,DOC群170日であったのに対し,多剤併用療法ではPAC群478日,DOC群567日と長く,2次治療以降にはもう一方のタキサンIPが多く行われていた.今後多用されるであろうPHOENIXレジメンであるS-1+PAC IV+IPによる1次治療の後にDOC IPを含めた2次治療が継続中症例を含めて平均期間229日行われ,生存期間の更なる延長に貢献していた.また他の1次治療でもPAC IP+S-1で133日,DOC IP+S-1で318日,DOC IP+多剤併用で267日の他方のタキサンIP を含んだ2次治療が行われていた.

【結語】タキサンIPは多剤併用全身化学療法に付加するのが有効であり,PAC IP後のDOC IPは生存期間の更なる延長に貢献すると思われる.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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