演題抄録

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開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

腹膜播種を伴う胃癌に対するconversion surgeryの意義

演題番号 : WS1-4

[筆頭演者]
中村 公紀:1 
[共同演者]
中森 幹人:1、尾島 敏康:1、勝田 将裕:1、辻 俊明:1、早田 啓治:1、合田 太郎:1、丸岡 慎平:1、山上 裕機:1

1:和歌山県立医科大学・第二外科

 

【はじめに】腹膜播種を伴う胃癌は、切除不能胃癌として全身化学療法が標準治療であるが、近年、化学療法の治療成績の向上により根治切除可能となる症例がみられる。当教室では腹膜播種の可能性の高い症例に対して審査腹腔鏡 (SL)を施行し、腹腔洗浄細胞診陽性症例(CY1)、腹膜播種陽性症例(P1)に対しては化学療法を施行し、化学療法の奏功例には再度SLを行い、陰転化すればconversion surgery(CS)を行っている。また、2016年からは高度進行胃癌に対して、SOX療法を施行している。【対象と方法】1) 2005年から2014年まで大型3型・4型症例、漿膜浸潤陽性症例に対しSLを行った進行胃癌115例を対象にCSの有用性を検討した。2) 高度進行胃癌に対しSOX療法を施行した9例を解析した。【結果】1) 内訳は、CY0P0症例は56例(48.7%)、CY1P0症例は26例(22.6%)、P1症例は33例(28.7%)であった。生存期間中央値(MST)は、CY0P0:38ヶ月、CY1P0:21ヶ月、P1:12ヶ月であった。(CY0P0 vs CY1P0; p=0.038, CY0P0 vs P1; p<0.001, CY1P0 vs P1; 0.011)。CY1P0症例で化学療法を行った24例のうち18例に再度SLを施行し、12例(50%)にCY0P0が得られCSを施行した。その化学療法の内訳は、S-1/CDDP:9例、Docetaxel/CDDP/S-1:2例、S-1/Docetaxel:1例で、投与コース中央値は5コースであった。CS施行症例と非施行症例のMSTは、40ヶ月、11ヶ月で、施行群が有意に長かった(p<0.001)。また、そのCS施行症例と初回CY0P0症例の生存期間の比較では、両群間に差は認めなかった(p=0.889)。一方、P1症例は全例化学療法を施行し、そのうち奏功した7例に再度SLを施行し、5例(15.2%)にCY0P0が得られたためCSを施行した。CS施行症例は非施行症例と比較して有意に予後は良好であった(p=0.034)。2) CY1/P1症例の4例にSOX療法を施行し、3例でCSを施行し得た。【結語】審査腹腔鏡で評価したconversion surgeryは、腹腔洗浄細胞診陽性症例、腹膜播種陽性症例に対して有用な治療法である。今後、SOX療法の有用性について検討する予定である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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