演題抄録

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開催回
第55回・2017年・横浜
 

食道癌根治術後再発に対する治療戦略

演題番号 : WS1-1

[筆頭演者]
豊住 武司:1 
[共同演者]
坂田 治人:1、上里 昌也:1、早野 康一:1、村上 健太郎:1、加野 将之:1、藤城 健:1、仙波 義秀:1、天海 博之:1、澤田 尚人:1、関野 伸史:1、渡邊 裕樹:1、岡田 晃一郎:1、林 秀樹:1、松原 久裕:1

1:千葉大学・大学院医学研究院・先端応用外科

 

<背景> 本邦における食道癌根治術後再発は28~47%に認められ、生存期間の中央値は再発から5~10ヶ月とされている (食道癌診断・治療ガイドライン2012年4月版)。長期生存または完治する症例が少なからずあり積極的治療が望まれるとされる一方、いまだ治療法に関する一定したコンセンサスはない。当科では食道癌根治術後再発に対し、集学的治療を念頭に置いた積極的治療導入を基本方針としている。<目的> 当科における食道癌根治術後再発症例の治療成績を後方視的に検討し報告する。<対象と方法> 千葉大学先端応用外科にて2004年から2012年の間に食道癌に対する根治切除術を行った418例を対象に検討を行った。術前治療が施行された症例も検討対象に含めた。手術標本の病理組織所見で明らかな腫瘍遺残を疑う症例 (pR2、pCurC)は検討対象から除外した。<結果> 食道癌根治術後再発は140例 (33.4%)に認めた。再発時期の中央値は術後9.1ヶ月 (1.3-82.8ヶ月)で、再発様式 (重複あり)はリンパ節再発85例 (60.7%)、遠隔転移再発59例 (42.1%)、播種再発13例 (9.2%)、局所再発11例 (7.86%)であった。そのうち25例 (17.8%)で再発様式の重複を認めた。再発症例のpStageはそれぞれ0/I/II/III/IVa/IVbで6例 (4.2%)/11 (7.9)/36 (25.8)/60 (42.9)/24 (17.1)/3 (2.1)であった。再発後生存期間の中央値は11.8ヶ月 (0.0-116.4ヶ月)であったが、3年以上の生存期間が得られた長期生存例が19例 (13.6%)あり、そのうち7例 (5.0%)では治癒生存が得られたと判断された。長期生存例に対して行われた治療法 (重複あり)は、化学療法 14例、化学放射線療法 8例、根治切除 3例、重粒子線療法 3例、放射線療法 2例、温熱療法 1例であり、複数の治療法を組み合わせて行った集学的治療施行例は10例だった。長期生存例の再発時期中央値は術後14.1ヶ月 (1.6-60.6ヶ月)、それ以外の症例では8.8ヶ月 (1.3-82.8ヶ月)であり、長期生存例の再発時期はそれ以外の症例に比較して遅い傾向にあった (p = 0.193、t検定)。<結語> 当科における食道癌根治術後再発症例の13.6%で再発後3年以上の長期生存が得られ、5.0%で治癒生存が得られた。食道癌根治術後再発症例に対しても、積極的な治療導入が望ましいことが示唆される。

キーワード

臓器別:食道

手法別:集学的治療

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