演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体)の展望と課題

演題番号 : SY5-2

[筆頭演者]
濵西 潤三:1 

1:京都大学・大学院医学研究科・婦人科学産科学

 

免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体)の登場により、がん治療は大きく変革を遂げ始めている。本邦ではこれまでに抗PD-1抗体は、悪性黒色腫や非小細胞肺がん、腎がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がんに対して薬事承認されている。なかには1次治療薬として認められたものもあり、それぞれのがん治療ガイドラインも大きく変わりつつある。また米国では、非小細胞肺がんに対して化学療法との併用療法や、がん種を超えて、高度のマイクロサテライト不安定性またはDNAミスマッチ修復遺の欠損の固形がんに対しても薬事承認されており、これまでのがん治療の概念を変え始めている。また現在、胃がん、食道がん、肝臓がん、卵巣がんなど様々な固形腫瘍に対しても単剤で一定の治療効果を認めており、また抗PD-L1抗体も非小細胞肺がん、尿路上皮がん、メルケル細胞がんなどに対して適応承認されており、両抗体療法ともに、今後は単剤だけではなく併用療法も並行した適応承認に向けた治験が数多く始まっている。
一方でこのような背景において、免疫チェックポイント阻害薬に対して新たな課題も表出し始めている。そこで、将来的により効果的な治療戦略を行うためには、
1) 患者選択や治療効果を予測するバイオマーカー探索と包括的評価法の確立
2) 同薬剤との併用療法で有望となる治療法の探索
3) 薬剤耐性の克服
4) 重篤な免疫関連の副作用の予測と対策
5) 若年者への生殖免疫に対する影響の追跡調査
6) 高額な同薬剤に対するstop trial/ interval trial/ dose down trialなどの試験デザイン検討
などが、これからのさらなる展開に向けて必要ではないかと考えられる。
そこで本セッションでは、当科で行った卵巣がんに対する抗PD-1抗体ニボルマブを用いた医師治験の経験から得た知見とともに、現在世界中で行われているオミックス解析を駆使したバイオマーカー探索や多方面からの併用療法の中間報告などの最新情報とともに今後の展望と課題について概説したい。

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