演題抄録

パネルディスカッション

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

切除可能な進行食道癌に対する根治的化学放射線療法

演題番号 : PD9-4

[筆頭演者]
堅田 親利:1 
[共同演者]
小泉 和三郎:1

1:北里大学・医学部・消化器内科学

 

 cStage II/III進行食道癌 (UICC-TNM分類第6版相当)に対する非手術治療として標準的に行われている根治的化学放射線療法 (CRT)の一つは、RTOGレジメン(RTOG9405/INT0123)である。本邦における第II相試験 (mRTOGレジメン)では、5-FUを1000mg/m2 (day 1-4, 29-32)、シスプラチンを75mg/m2 (day1, 29)、予防照射を加えた放射線治療50.4Gy (1.8Gy×28fr)を予定休止なしで照射した。Grade 4好中球減少21.6%、Grade3/4食欲不振45.1%、食道炎35.3%、発熱性好中球減少症19.6%を認めた。Grade3/4の晩期毒性は放射線性肺臓炎5.9%、心膜炎2.9%であった。CR割合70.6%、5年全生存割合54.8%であった。現在、本邦において、mRTOGレジメンに抗EGFR阻害剤であるNimotuzumabを上乗せする第I相試験が終了し、level 1: Nimotuzumab 200mg/week for 25 weeksにおける安全性と有効性が確認されている。
 今後、ケモセレクションや腫瘍の遺伝子プロファイルに基づいた個別化治療の展開も期待されている。現在、切除可能な進行食道癌に対してDCF療法 (TAX323)を3コース行い、著効例にはCRT (mRTOGレジメン)、非著効例には手術を施行するケモセレクションの第II相試験 (CROC試験, UMIN8086)が実施されている。また、食道癌の原発巣の遺伝子発現解析より、CRTで長期生存が期待できるサブタイプが報告されており、この結果に基づいて遺伝子サブタイプ毎の治療成績を明らかにするコホート研究 (SUCCESS試験, UMIN16141)も実施されている。
 頸部食道癌については、喉頭温存を目指した治療戦略として、CRTは治療の選択肢となりうる。本邦において、切除可能な頸部食道癌に対するシスプラチンと5-FUを同時併用するCRTの第II相試験が実施され、CR割合は73%、3年全生存割合は66.5%、3年喉頭温存生存割合は52.5%であった。
 高齢者については、ドセタキセルを併用したCRTの第II相試験が実施され、完遂率は87.5%、CR割合は43.8%、2年全生存率は62.5%、生存期間中央値は27.7か月、無増悪生存期間は15.2か月であり、Grade3以上の晩期毒性は、食道炎12.5%、胸水12.5%、放射線性肺臓炎6.3%、心嚢液貯留6.3%であった。現在、高齢者臨床病期IB-III(T4 を除く)食道癌に対するパクリタキセルと放射線同時併用療法の第I/II相試験 (UMIN20397)が実施されている。
 今後は、進行中の臨床試験を進めながら、CRTを施行する対象と選択するレジメンを整理していく必要があると考えている。

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