演題抄録

パネルディスカッション

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

患者団体の連合体組織からみた現状と課題

演題番号 : PD3-6

[筆頭演者]
天野 慎介:1 

1:一般社団法人全国がん患者団体連合会

 

2006年に成立したがん対策基本法において、厚生労働省がん対策推進協議会により国のがん対策推進基本計画が策定されることとなり、協議会の委員には「がん患者及びその家族又は遺族を代表する者」を含むことが法定された。これにより、国のがん対策推進協議会をはじめとする公的審議会等、都道府県や医療機関の各種委員会においてがん患者や家族が意見を述べることとなり、国のがん対策推進基本計画やその他の施策においてがん患者や家族の意向を反映した施策が推進されてきた。また、がんの種類や地域に応じて、がん患者や家族を主体とするがん患者団体が組織され、がんの治療や療養に関する情報提供、いわゆるがんサロンやピアサポートなどによる交流と支援の場の提供、がん患者や家族の立場から行政などに対する政策提言などの活動が行われてきた。一方で、これらの施策や取り組みにも関わらず、2015年に公開された国の「がん対策推進基本計画中間評価報告書」や、2016年に公開された総務省「がん対策に関する行政評価」において、標準治療の実施などにおいて未だ地域や施設間格差が存在する可能性や、がん対策において特に緩和ケアの実施に関して、がん診療連携拠点病院の指定要件の未充足が指摘されるなど、がん医療の向上に向けた改善と更なる取組が必要と指摘されている。加えて、高額薬剤の問題に象徴される医療費の問題や、がんに対する社会的な理解の啓発の必要性なども指摘されている。このような状況の中で、がん医療やがん対策において共通する課題に取り組み、がん医療の向上とがんになっても安心して暮らせる社会の構築を目指し、2015年に全国がん患者団体連合会が設立された。現在はおよそ40の加盟団体から構成され、改正がん対策基本法やがん対策推進基本計画などに対する要望活動、がん患者団体ががん医療やがん対策について共に学び議論する場としての「がん患者学会」「がん患者カレッジ」の開催、厚生労働大臣や国会議員に対してがん対策の推進を訴える「国会院内集会」の開催などの活動を進めてきた。がん医療やがん対策におけるニーズも多様化する中で、がん患者や家族、医療者や行政だけでなく、広く社会を巻き込んだ活動が必要と考えられる。

前へ戻る