演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

酢酸オクトレオチドの間歇皮下投与により嘔吐の症状緩和が得られた1例

演題番号 : P98-4

[筆頭演者]
間瀬 広樹:1,2 
[共同演者]
吉尾 敬登:1,2、石嶋 麗:1,2、小林 恵里奈:2、江戸 稚香子:1,3、三村 優仁:1,4、秋山 哲平:2、鵜浦 雅志:1,5

1:独立行政法人国立病院機構金沢医療センター・緩和ケアチーム、2:独立行政法人国立病院機構金沢医療センター・薬剤部、3:独立行政法人国立病院機構金沢医療センター・看護部、4:独立行政法人国立病院機構金沢医療センター・血液内科、5:独立行政法人国立病院機構金沢医療センター・消化器内科

 

(はじめに)がん終末期において消化管閉塞に伴う悪心・嘔吐は患者QOLを著しく低下させる症状の一つである。酢酸オクトレオチド(以下、OCT)は持続皮下投与で消化管閉塞症状の緩和に有効性が確立している。一方、持続皮下投与は投与ルート増加による患者可動性の制限などの問題もある。今回、金沢医療センター緩和ケアチームにおいてOCTの間歇皮下投与により症状緩和が得られた症例を経験したので報告する。
(症例)70歳代、女性、卵巣がん。腸間膜リンパ節多発転移、左鎖骨リンパ節転移などに対して化学療法を繰り返していた。疼痛、腹満感、嘔気・嘔吐コントロール目的で緩和ケアチームの介入依頼があった。疼痛はオピオイドなどの投与により緩和できた。メトクロプラミド内服でも嘔吐などはコントロールできず、嘔吐を繰り返しており、患者QOLに影響を及ぼしていた。電解質異常などもないことから消化管液貯留に伴う嘔吐と考え、OCTの投与を計画したが、輸液ルートの増加の拒否の希望もあったことから100μg×2回の間歇的皮下投与で開始。嘔吐は消失した。外泊時にOCT投与が行われないと嘔吐が出現したが、再投与により症状は消失した。その後、全身状態の悪化により皮下投与が困難となったため輸液内からの持続静脈内投与と変更となったが嘔吐をコントロールすることができた。
(考察)OCTの持続皮下投与により消化管閉塞症状緩和の有効性は確立されており、また、効果発現は速やかであり、7日間の投与により有効性を判定し投与継続の可否を検討することとなっている。本症例は、患者希望により投与ルート増加に対する拒否感が強く200μg/日の間歇的皮下投与を行った。投与開始より速やかに嘔吐の症状が改善し、症状がコントロールできたため、外泊もでき、患者QOLの向上に寄与できたと考える。OCTの間歇皮下投与は有効な投与方法の1つであると考えられた。

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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