演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

メイリングリストを活用した精巣腫瘍に関する症例カンファランスの運用実績

演題番号 : P87-6

[筆頭演者]
河原 貴史:1 
[共同演者]
木村 友和:1、小島 崇宏:1、河合 弘二:1、西山 博之:1

1:筑波大学・大学院人間総合科学研究科・腎泌尿器外科

 

背景
精巣腫瘍あるいは性腺外胚細胞腫は希少癌である。治癒率が向上する一方で、難治症例や合併症のリスクが高い症例、あるいは稀な病態を示す症例も少なからず存在する。日常臨床でこのような症例に遭遇した場合、迅速な情報収集が必要であり、また経験者の意見も貴重になる。精巣腫瘍メイリングリスト症例カンファランス(以下、精巣ML)はこれらを目的として筑波大学が中心になって運営してきた。精巣MLでは2012年5月から2017年4月の5年間に100症例に関する討議が行われてきた。今回、その運用実績について報告する。
方法
精巣MLはセミクローズで運用され簡単な入会手続きが必要である。討議された症例はアーカイブ症例として、討議内容が筑波大学腎泌尿器科HPで公開されており入会者はいつでも閲覧可能である。今回、参加施設、討議された症例の内訳、討議の実際についてまとめた。
結果
精巣MLは14施設28名の参加者で発足したが現在では79施設179名が参加している。地域別に見ると関東が38施設と最多であるが、関西(11)、東北(7)、北海道、中部(各6)、中国、四国(各4)、九州(3)と全国からの参加を得ている。このうち大学病院が51%、がんセンターが12%を占める。診療科としては泌尿器科医が89%、腫瘍内科医が11%である。年毎の討議症例数は14-33例とばらつきはあるが、経年的には増加傾向にある。アーカイブ症例は10カテゴリーに分類し保存されている。討議症例数をカテゴリー別に見ると非セミノーマ(NS)予後不良群が28例と最多で性腺外胚細胞腫(16)、NS中間群(12)、NS良好群(10)、セミノーマ(SE)良好群(8)、SE中間群及び奇形腫悪性転化(各5)、NS及びSE病期I(各4)、その他(8)の順となる。症例が精巣MLで提示されてから、他の参加者からのレスポンスが得られるまでの期間は当日が63例と最多で、2日以内(26)、5日以内(11)がこれに続いた。討議に要したメール数の中央値は6であるが、10以上のメールで活発な討議がされた症例が24例あった。
結論
精巣MLで討議された症例の44%がNS不良群または性腺外胚細胞腫であり、これらの症例で治療方針の決定に困難が伴いやすい傾向があると考えられた。一方、全体の9割の症例で2日以内にメールレスポンスが得られ迅速な情報収集、情報共有のツールとして機能していると考えられた。なお、精巣MLは今後、日本泌尿器腫瘍学会で運用される方向で検討されている。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:患者支援

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