演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

BEP療法施行時におけるpegfilgrastimとfilgrastimの有効性と安全性の検討

演題番号 : P87-5

[筆頭演者]
岩本 大旭:1 
[共同演者]
泉 浩二:1、ナッサグドルジ アリウンボルト:1、アリケン モラケ:1、門本 卓:1、中嶋 一史:1、重原 一慶:1、野原 隆弘:1、成本 一隆:1、角野 佳史:1、溝上 敦:1

1:金沢大学・大学院医学系研究科・泌尿器集学的治療学

 

【目的】BEP療法は進行性胚細胞腫瘍における標準治療であるが、強い骨髄抑制がありfebrile neutropenia (FN)の発症率は20%以上とされている。FN発症率20%以上のレジメンに対してはG-CSF製剤の一次予防投与が推奨されており、従来からBEP療法でも行われてきた。最近、持続型G-CSF製剤であるpegfilgrastimが発売され、泌尿器科領域ではcabazitaxel投与の際などに使われている。しかしpegfilgrastimは抗癌剤投与開始14日前から投与終了24時間以内に投与した場合の安全性は確立していないとされており、BEP療法においてはday8、15のbleomycin投与がある点が障壁となる可能性がある。BEP療法におけるpegfilgrastim使用についての有用性、安全性は未だ報告されておらず検討することとした。
【方法】2014年1月から2016年12月までに当科で治療された進行性胚細胞腫瘍患者16例のうちBEP療法を施行された10例を対象とした。Pegfilgrastim群とfilgrastim群にわけてAbsolute neutrophil count (ANC)の変動や副作用等について後ろ向きに検討した。
【結果】年齢中央値40.5歳、セミノーマが3例、ノンセミノーマが7例であった。Pegfilgrastimは14コース、filgrastimは22コースで投与された。neutropenia grade 4、FNはpegfilgrastim群でそれぞれ14.3%、0%、filgrastim群で40.9%、9.1%であり両群間に有意差は認めなかった(P=0.14、P=0.51)。ANC at nadirはpegfilgrastim群で1.99 (109/L)、filgrastim群で0.82 (109/L)でありpegfilgrastim群で有意に高かった(P=0.003)。間質性肺炎や脾破裂などの重篤な副作用は認められなかった。
【考察】抗癌剤投与当日のfilgrastimの使用は、neutropeniaが逆に強まる可能性があり推奨されていない。同様の理由で抗癌剤投与開始14日前から投与終了後24時間以内のpegfilgrastim投与も推奨されていない。BEP療法の場合day1-5にcisplatin およびetoposideの投与、day1, 8, 15にbleomycinの投与が行われるため、pegfilgrastimの効果持続期間中にbleomycin投与が行われてしまうことになる。しかしbleomycinの有害事象としてneutropeniaはほとんど認められないため、影響は非常に少ないと考えられる。今回の検討ではneutropenia、FNともに両群間に有意差はなく、ANC at nadirに関してはpegfilgrastim群で有意に高かった。重篤な副作用も認められず安全にpegfilgrastim投与を行うことができたが、今後さらに症例を蓄積して検証する必要がある。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:支持療法

前へ戻る