演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

泌尿器科3大癌の骨転移症例における予後因子に基づくリスクスコアリングモデルの構築

演題番号 : P87-4

[筆頭演者]
尾張 拓也:1 
[共同演者]
三宅 牧人:1、富澤 満:1、前阪 郁賢:1、森澤 洋介:1、中井 靖:1、藤本 清秀:1

1:奈良県立医科大学・附属病院・泌尿器科

 

【背景】
悪性腫瘍骨転移症例の管理において、予後を正確に予測することは適切な治療介入を行うにあたり重要である。原発癌種、内臓転移、多発骨転移、異常検査値、performance statusなどの因子を用いた転移性骨腫瘍のためのリスクスコアリングモデルがいくつか提唱されているが、泌尿器生殖器系癌に特化したものは見当たらない。本研究では泌尿器科3大癌の骨転移症例の予後因子に基づいた予後予測スコアリングモデルの構築を目的とした。
【対象・方法】
2007年1月から2016年12月に当科で診断された骨転移例,前立腺癌111例,腎細胞癌43例,尿路上皮癌26例の計180例を対象。癌種、年齢、performance status (ECOG PS)、内臓転移、多発骨転移、脊椎外転移、Glasgow prognostic score (GPS)、好中球リンパ球比 (NLR、カットオフ:3)、骨修飾薬の使用を解析項目とした。GPSは血清 CRP(>1mg/dl)と血清アルブミン(<3.5g/dl)の双方が存在するものを2,一方のみ1,それ以外を 0 とした。骨転移診断日を起始点とした癌特異的生存の予後因子を解析し、ハザード比 (HR) に基づいたスコアリングモデルを構築した。
【結果】
診断時平均年齢は69.5歳、男168例 (93%)、女12例 (6.8%) 、観察期間中央値は25ヶ月であった。内臓転移は61例(34%)、多発骨転移は149例(83%)に認めた。GPSは1点が45例(25%)、2点が17例(9%)、NLR高値を88例(49%)に認めた。多変量解析において、腎細胞癌(vs 前立腺癌、HR:1.76、P=0.049)、尿路上皮癌(vs 前立腺癌、HR:9.25、P<0.001)、PS 2(vs 0-1、HR:4,41、P<0.001)、PS 3以上(vs 0-1、HR 3.49、P=0.001)、内臓転移(HR:2.7、P<0.001)、GPS 2点(vs 0-1、HR:3.53、P=0.001)、NLR(HR:1.58、P=0.044)が独立予後因子であった。これらの因子において、3>HRを1点、6>HR≧3を2点、HR≧6を3点とし、計10点のスコアリングテーブルを作製。0点、1-2点、3-4点、5点以上をそれぞれ超低リスク群、低リスク群、中リスク群、高リスク群としたところ、1年 CSS 率は、100%、93%、64%、13%となり、予後リスクを分類することができた。
【結論】
本研究で構築したスコアリングモデルは,骨転移を有する泌尿生殖器系癌の臨床管理に有用であると考えらえる。超低リスク群および低リスク群では CSS 率が90%以上であることから、積極的な放射線治療や骨転移巣切除術も検討すべきである。今後、外部検証を行うことで本スコアリングモデルのさらなる有用性を検討する。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:Clinical Trial (臨床試験)

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