演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

当院における抗癌剤治療歴のあるがん経験者に対する男性不妊治療

演題番号 : P87-2

[筆頭演者]
日比 初紀:1 
[共同演者]
中澤 彩乃:2、野崎 智絵:2、浅田 義正:3

1:みなと医療生活協同組合協立総合病院・泌尿器科、2:みなと医療生活協同組合協立総合病院・看護部、3:医療法人浅田レディースクリニック・産婦人科

 

【はじめに】当院男性不妊外来を受診したがん経験者のうち、抗癌剤治療歴のある患者に対する不妊治療の検討を行った。
【対象と方法】平成19年より平成28年の10年間に当院男性不妊外来を受診した新患1226例のうち、挙児希望のがん経験者は30例(2.4%)であった。そのうち癌に対する治療において、手術のみの8例、抗癌剤治療前で精子凍結の3例、抗癌剤治療中の1例を除いた抗癌剤治療後の18例の治療成績を検討した。
【結果】年齢は27-47歳(中央値34歳)で、全例既婚。癌腫は白血病5例(AML2例、ALL3例)、精巣癌4例(セミノーマ1例、非セミノーマ3例)、悪性リンパ腫3例、骨肉腫3例、大腸癌、性腺外杯細胞腫及び横紋筋肉腫各1例であった。最終抗癌剤治療からは0.8-33(中央値14.5年)年経過していた。手術による射精障害のため精液検査不能の1例を除いた17例は全て無精子症であった。12例に精子採取術が行われ、精管内精子採取術1例、顕微鏡下精巣上体精子採取術2例、顕微鏡下精巣精子採取術9例を行った。このうち5例に運動精子が回収され、顕微授精に供する事で2例の妊娠・出産を得た。また精子回収不能の7例中3例が精子提供を希望され、2例の出産を得た。一方精子採取術を受けなかった6例は、いずれも治療にかかるコストが理由であった。
【考察】今回の抗癌剤治療後のがん経験者においては、精子採取術により2例の妊娠・出産を得た一方で、治療コストを理由に精子採取術を決断できない例や不妊治療を諦める例もあり、十分な情報伝達が重要と思われた。
【結語】平成18年に成立したがん対策基本法は整備され、がん治療に対しては国を挙げての取り組みが行われている。一方で不妊治療に対する補助は限られており、コストを理由に不妊治療を断念しないような取り組みが必要と思われる。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:手術療法

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