演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

血液透析中の再発大腸がん患者に対する外来化学療法室での支援

演題番号 : P86-4

[筆頭演者]
岡地 美代:1 
[共同演者]
玉井 友子:1、芦谷 友美:1、宮嵜 安晃:2、山邉 和生:2、栗原 稔男:3

1:紀南病院・外来化学療法室、2:紀南病院・外科、3:紀南病院・薬剤部

 

【目的】維持血液透析中にS状結腸がん術後肝転移で3年間外来化学療法を行った症例を経験した。外来化学療法室で長期的に支援を行った経過を振り返り検討を加え報告する。
【症例】58歳 男性 S状結腸がん術後9か月後に肝転移を認めた。
【経過】1st line としてmFOLFOX6 50%doseで8コース投与しGr2の末梢神経障害のため、L-OHPを中止し17コース投与後肝転移増悪を認め、2nd lineとしてBev +sLV5FU2を39コース投与した。また3rd lineとしてBev+FOLFIRIを4コース投与した。
血液毒性はGr0-2で投与延期と減量で対処した。血圧は透析施設で降圧剤が処方されコントロールが可能だった。投与当日は午前中に近医で透析を受ける際血液検査用スピッツを予め渡し、透析時の血管確保時に採血を依頼し来院時に検体を提出した。午後からの投与で所要時間を逆算し、外来、薬剤部とも連携し診察・調製・投与終了までの流れが円滑に進むよう協働しすすめた。透析中は長時間の臥床を強いられるため、座位での投与ができるよう配慮した。シャント閉塞予防の目的で抗凝固剤を服用していたため抜針時など止血に留意した。鼻出血に対する予防行動も行えており軽微に経過した。投与中の下痢はロペラミドを自己管理とし、軟便によるストーマ周囲のただれには皮膚排泄ケア認定看護師の介入で対処した。透析後の倦怠感や長時間の治療によるストレスの為、自己抜針指導は本人の同意に時間を要した。患者自身毎日の有害事象について経過記録をつけていたことで、医療者の理解も容易で、良好なコミュニケーションのもと対処方法を話し合うことができた。
【考察】50% doseでの化学療法が奏功したことで生存期間の延長を成しえた。長期治療を支えるには有害事象に医師・薬剤師と協働し早期から対処するチームワークが必要である。また、患者参加の化学療法としてセルフケアが確立されていたこと、医療者とのコミュニケーションが図れ、患者の意向に沿った支援に繋げられたことも要因であった。透析治療中の外来化学療法支援を行う上で留意することは、在宅で日常生活を送る上でどのような影響を受けているのかを傾聴し、通院治療に対するストレスへの対応から始まると考える。
【結語】外来化学療法室では長期的治療の支援として関わる部門間での連携及び調整を図り、有害事象への対処、心理的支援のため可能な範囲での個別的な対応を行う必要を経験の中で再認識することができた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:チーム医療

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