演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

認知症を併存した大腸癌治療における意思決定の問題

演題番号 : P86-1

[筆頭演者]
池永 雅一:1 
[共同演者]
太田 勝也:1、上田 正射:1、板倉 弘明:1、高山 碩俊:1、津田 雄二郎:1、中島 慎介:1、足立 真一:1、遠藤 俊治:1、岩城 隆二:2、三嶋 恭子:2、進藤 喜予:2、山田 晃正:1

1:市立東大阪医療センター・消化器外科、2:市立東大阪医療センター・緩和ケア内科

 

【はじめに】近年わが国では、2人に1人ががんに罹患する時代なった。なかでも大腸癌は増加傾向であり、かつ高齢化しつつある。高齢者大腸癌では様々な疾患を併発することがあり、特に認知症であれば、術前・術後に問題となることが多い。がん治療における認知症の問題点として、1)意思決定支援、2)治療上の問題、3)家族をめぐる問題が挙げられる。【目的】認知症を有する大腸癌治療における意思決定の問題点を明らかにすること。【対象と方法】2015年4月から2017年2月までに当科で手術を行った認知症を有する大腸癌症例11例を対象として、術前、術後、退院に関しての諸問題について検討を行った。【結果】男性4例、女性7例。年齢は75~97歳(平均81.9歳)、主訴は閉塞症状が6例と多く、出血3例、下痢1例、その他1例。腫瘍占拠部位は右側結腸9例、S状結腸2例。1例に人工肛門造設のみ、10例は結腸部分切除術を施行した。8例が施設入所中であった。術前検査、病状説明、手術説明など本人も含めて行っているが、本人の意思が確認できたのは1例のみで、10例は本人が理解できない状況であり、家族(子供5例、兄弟2例、甥・姪2例、婿・嫁2例)に癌の臨床的な説明のみ行っていた。術中、術後合併症であるが、せん妄は1例に認めた。その他の合併症に関しては認めず、離床など通常手術症例よりも回復は意外と早かった。可能であれば入院時、家族の付き添いをしてもらうように依頼しているが、術前から術後の長期にわたる付き添いになると、家族の負担も大きくなり、早々に元の施設にもどることを希望されていた。自宅から来院された3例中、元の自宅に退院したのは1例のみであり、2例は療養型病院への転院、8例は元の入所施設に戻られた。【考察】意思決定として本人が携わったのは1例のみであり、10例では家族と外科医のみで意思決定がなされていた。家族に意思決定を任せることもあったが、実際の決定には外科医の誘導が大きく影響していた。今後、このような症例が増加してくることが予想される。当院では「臨床倫理カンファレンス」を立ち上げ、外科医のみではなく、他職種(他科医師、看護師、薬剤師、MSWなど)での医療チームで意思決定支援をしていくことを目指す。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:チーム医療

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