演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

フルオロウラシル系薬剤とWarfarinの適正使用推進に向けての取り組みについて

演題番号 : P85-5

[筆頭演者]
大野 真孝:1 
[共同演者]
大谷 祐子:1、岸本 靜佳:1、安福 修平:1、中谷 宰士:1、大澤 正人:2、鹿島 孝子:3

1:兵庫県立姫路循環器病センター・薬剤部、2:兵庫県立姫路循環器病センター・外科、3:ひょうごこころの医療センター

 

目的
フルオロウラシル系薬剤の添付文書にはワルファリンカリウム(以下Warfarin)との併用は「Warfarinの作用を増強することがあるので、凝固能の変動に注意すること」との記載があるが、その作用機序は不明となっている。
当センターは心臓血管疾患、脳・神経疾患、糖尿病・代謝性疾患を主な対象とした高度専門医療を提供しており、Warfarinを内服している患者が多い。当院において、2014年1月から2015年12月の期間で両薬剤を併用している患者のPT-INRの変化を調査したところ、多くの症例で延長がみられた。そのため、両剤を併用する際にPT-INRのモニタリングをもれなく実施するため、当院薬剤部で実施している取り組みについて紹介する。
方法
上記の調査において、Warfarin とS-1併用患者のPT-INRを調査すると6例中5例でPT-INRが延長し、残りの1例はFOLFOX療法に変更後に延長した。このことから、レジメン登録されているフルオロウラシル系薬剤を対象として、Warfarinの内服とPT-INR検査オーダの有無を確認することとし、レジメンチェック表のチェック項目に当該項目を追加した。また、服薬指導時に使用するチェックリストにも追加した。PT-INR検査のオーダがない場合は検査依頼を行い、依頼の方法は業務負担軽減のため電子カルテの連絡システムを使用することとした。
結果・考察
運用開始後は、対象患者のWarfarin内服歴と検査オーダの有無の確認を、電子カルテの検索機能を使用することでもれなく実施することができている。また、医師への検査オーダ依頼についても電子カルテの連絡システムを使用することで、効率よく実施することができた。
調査では、全併用患者でPT-INRが高値となり、相互作用の出現が示唆された。癌の進行により腫瘍からの出血リスクが増大することを考慮すると、併用患者ではより厳密なWarfarinの用量調整と、出血傾向の初期症状を患者自身が理解することが重要となる。そこで、PT-INRの検査を確実に実施するためのシステム構築と、患者への適切な薬剤管理指導(出血傾向の有無の確認や初期症状の説明)を実施することで、副作用の未然防止や早期発見につなげることができると考える。
今後は症例を蓄積し、Warfarinとフルオロウラシル系薬剤の併用において、癌種、病勢、レジメンによるWarfarin効果増強の差異についても調査し、患者の安心安全ながん化学療法につなげていきたい。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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