演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

血液毒性は胃癌に対するSP療法の良好な効果予測因子である

演題番号 : P85-4

[筆頭演者]
奈良 克彦:1 
[共同演者]
山下 裕玄:2、大久保 聡:1、山本 武人:3、高田 龍平:1、瀬戸 泰之:2、鈴木 洋史:1

1:東京大学・医学部附属病院・薬剤部、2:東京大学・医学部附属病院・胃食道外科、3:東京大学・大学院・薬学系研究科・医療薬学教育センター

 

[背景]
進行・再発胃癌の一次治療としてS-1+シスプラチン併用療法(SP療法)がガイドラインで推奨されているが、その効果予測因子は不明である。他癌種の既報文献において血液毒性と治療効果との関係を検討した報告があり、血液毒性陽性群において生存期間の延長を認めているが、SP療法においても同様かどうかは不明である。
[方法]
2008年1月から2015年12月までに東京大学医学部附属病院でSP療法を施行された胃癌患者を対象とした。S-1による術後補助化学療法の早期再発例、治療開始前の血液検査で好中球数2000/μL未満、または血小板数100,000/μL未満の症例は除外した。SP療法実施期間内の血算検査において、好中球数2000/μL未満、または血小板数100,000/μL未満まで低下した症例を血液毒性ありと定義し、血液毒性有群と血液毒性無群の間で無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)の解析を行った。さらに、術前補助化学療法(NAC)とConversion surgeryが施行された患者において、血液毒性の有無と病理学的組織奏効率、無再発生存期間(RFS)について解析を行った。なお、病理学的組織奏効率は胃癌取扱い規約に従いGrade 0-3に分類した。その中でGrade 0-1aとGrade 1b-3の2群に分類し、Grade 0-1aは無効、Grade 1b-3を有効と定義した。全解析におけるフォローアップ期間は2016年12月31日までとした。
[結果]
同期間中にSP療法を施行された患者207名のうち、除外基準に該当した24名を除く183名を調査対象患者とした。NAC施行患者11名を除く切除不能進行再発胃癌患者172名(血液毒性有148名、無24名)を対象として血液毒性と予後の検討を行ったところ、生存期間は血液毒性有群で有意に良好であった(PFS、7.0ヶ月 vs 4.2ヶ月、P<0.01;OS、17.3ヶ月 vs 14.1ヶ月、P=0.02)。次に、病理学的組織奏効率の情報が入手可能であった31名(NAC 11名、Conversion 20名)に関して奏効率と血液毒性の関連性について検討を行った。その結果、病理学的組織奏効率は血液毒性有群で有意に高かった(血液毒性群 有効/無効=16/4、血液毒性無群 有効/無効=2/9 P<0.01)。さらに、2群間でRFSを比較したところ血液毒性有群において良好な傾向であった。
[結論]
SP療法に伴う血液毒性は効果予測因子として有用である可能性がある。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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