演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

限局性前立腺癌におけるPET/MRIを用いた局在診断と定量評価の有用性

演題番号 : P82-6

[筆頭演者]
星 誠二:1 
[共同演者]
石橋 啓:1、丹治 亮:1、滝浪 瑠璃子:1、松岡 香菜子:1、秦 淳也:1、胡口 智之:1、矢部 通弘:1、佐藤 雄一:1、赤井畑 秀則:1、片岡 政雄:1、小川 総一郎:1、羽賀 宣博:1、相川 健:1、小島 祥敬:1

1:福島県立医科大学・医学部・泌尿器科学講座

 

目的:FDG-PET/CTは、多くの癌腫おいて局所・質的診断に用いられるが、前立腺癌において、病変でのFDG集積が低いこと、MRIとは異なりCTでは局在診断ができないことから有用性は低いとされる。一方Biograph mMR(シーメンス社)は3T-MRIとPETを同時に撮影できるため、前立腺癌において有用な可能性がある。そこで我々は、FDG-PET/MRIと前立腺標本の病理所見およびFDGの輸送タンパクであるGLUT1発現を比較することにより、FDG-PET/MRIの前立腺癌の局在および質的診断の有用性について検討した。
対象と方法:当院で前立腺全摘術を施行した患者73例のうち術前にホルモン療法を施行していない患者68名を対象とした。FDG-PET/MRIで撮影した前立腺画像を解剖学的所見に基づき6部位(左右、底部、中部、尖部)に分割し、①前立腺標本をと比較し癌の局在の感度、特異度について検討した。②各部位でROIを設定し、ADC値からROC曲線を作成しADC値のCut Off値(CO値)を算出した。③CO値を用い、FDG-PET/MRIの感度、特異度を検討した。④ADC値やSUV値とGleason score(GS) やGLUT1の発現との相関について検討した。
結果:①MRI陽性またはPET陽性を検査陽性とした場合、感度49.8%、特異度92.8%、MRI陽性かつPET陽性を検査陽性とした場合、感度 14.1%、特異度 100%だった。②ADC値は非腫瘍領域に比較し腫瘍領域で有意に低かった(平均値 1.46 vs 1.25, p<0.01、最小値 0.93 vs 0.79, p<0.01)。ADC値のROC曲線を作成しCO値を算出したところ、平均値では1.15、最小値では0.81だった。③CO値から算出したFDG-PET/MRIの感度・特異度は、感度47.7%、特異度91.6%であった。④ADC値はGSと負の相関を示した(相関係数 -0.41, p<0.01)。SUV値とGSの間に相関はなかったが、FDGの集積のある症例で比較するとGS 7以上の症例で有意に高かった(GS≧7 vs GS=6、SUVmax 3.32 vs 2.25, p=0.014)。GLUT1は、PET陰性領域と比較し陽性領域で発現が多く(陽性率 22% vs 44%,p<0.001)かつ非腫瘍領域と比べ腫瘍領域で多く発現を認め(陽性率 5% vs 38%,p<0.001)、GSが高いほど発現が多かった(陽性率 GS≧7 vs GS=6 49% vs 15%,p<0.001)。
結論:FDG-PET/MRIの診断能力は、MRIと明らかな差を認めなかったが、FDG-PETとMRIの所見が一致した部位では全例で腫瘍組織を認めた。またADC値やSUV値などの定量的数値に着目することで、病理学的な悪性度や予後を予測できる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:イメージング

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