演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

当院における経会陰前立腺生検の検討

演題番号 : P82-4

[筆頭演者]
井内 俊輔:1 
[共同演者]
角田 俊雄:1、細川 忠宣:1、二宮 郁:1、橋根 勝義:1

1:独立行政法人国立病院機構四国がんセンター・泌尿器科

 

前立腺生検は、前立腺癌の診断のために不可欠な検査である。しかし、その方法は施設ごと異なる。前立腺生検の方法については、2016年版の前立腺診療ガイドラインでは、初回生検に関しては、「辺縁領域を中心とした10~12か所の多数箇所生検が推奨される」と記載されている。一方、再生検に関しては、「尖部や腹側生検を追加した多数箇所生検が癌検出率を高める可能性がある」と記されている。
【目的】当院における経会陰前立腺生検について評価し、会陰生検の適応について検討した。
【対象と方法】対象は、2008年8月から2017年4月までに経会陰前立腺生検を行った189例である。いずれも当院もしくは他院にて初回生検を行って陰性となり、その後もPSAの上昇もしくは直腸診やMRIの画像所見で前立腺癌を疑い、診断目的に施行した症例である。穿刺部位および生検本数は、エコーガイド下で前立腺を確認しながら、生検用テンプレートを用いて、症例ごとに決定した。
【結果】対象患者189例の背景は、PSAの中央値が8.92(2.82~57.53)ng/mL、前立腺容積の中央値が43.04(11.65~145)mlであった。生検本数は、12~48(中央値32)本で、いずれの症例も両葉にて均等に組織採取された。PSA densityは、前立腺癌症例で中央値が0.314ng/mL/g、陰性症例で0.212ng/mL/gであった。189例中、前立腺癌と診断されたのは72例(38.1%)で、その中の56例(29.6%)においては、腹側にて癌が検出された。また、56例中で、背側からは癌が検出されず、腹側からのみ検出されたのは36例(19.0%)、そのうちの21例(11.1%)にて、Gleason Score 3+4=7以上の前立腺癌が認められた。その内訳は、Gleason Score 3+4=7が11例、Gleason Score 4+3=7が3例、Gleason Score 4+4=8が4例、Gleason Score 4+5=9が2例、Gleason Score 5+4=9が1例であった。腹側と背側の両方から癌が検出された20例(10.6%)においても、16例(8.5%)でGleason Score 3+4=7以上の前立腺癌が腹側から認められた。
【結論】一般的に、経直腸前立腺生検では組織採取が行いにくい前立腺腹側で、癌が検出される症例が数多く認められた。経直腸前立腺生検で癌が検出されず、その後の診察で前立腺癌が疑われる症例においては、経会陰前立腺生検の施行が推奨される事を再認識した。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:診断

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