演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

マルチパラメトリックMRIを用いた前立腺癌被膜外進展の予測因子

演題番号 : P82-3

[筆頭演者]
上野 剛志:1 
[共同演者]
林 哲太郎:1、後藤 景介:1、栗村 嘉昌:1、福岡 憲一郎:1、北野 弘之:1、池田 健一郎:1、稗田 圭介:1、神明 俊輔:1、井上 省吾:1、亭島 淳:1、松原 昭郎:1、本田 有紀子:2、寺田 大晃:2、粟井 和夫:2

1:広島大学・大学院・腎泌尿器科学、2:広島大学・病院・放射線診断科

 

【目的】前立腺全摘除術前に腫瘍の前立腺外浸潤進展確に予測するのは困難である。一方で、マルチパラメトリックMRI(mpMRI)は、前立腺癌の優れた画像診断ツールとして近年普及が進み、mpMRIの所見から前立腺癌の疑いの強さを5段階に分類するprostate imaging reporting and data system(以下PI-RADS)の前立腺癌検出における高い感度、特異度が報告されている。また、mpMRIで測定した腫瘍と被膜の接触距離であるTumor contact length (TCL)が被膜外進展の予測因子となるといった報告や、TCLが、PSA、Gleason Score(GS)、腫瘍容積と比較し、より被膜外進展と関連すると報告されている。
そこで、本研究では3テスラ(3T)mpMRIから得られるPI-RADS、TCLを含めた各種パラメーターの前立腺癌の術前診断における有用性について検討する。
【対象と方法】2014年4月~2017年3月までに広島大学病院でロボット支援下前立腺全摘除術を行った299症例のうち、術前に3T mpMRIを施行し、全摘標本でに臨床的意義のある癌病変(0.5cc以上またはGS3+4以上)を認めた70例、94病変(PZ:55病変、TZ:39病変)を対象とした。PI-RADS class3以下をPI-RADS陰性群、PI-RADS class4以上を陽性群とし術前mpMRIより算出したPI-RADSスコアおよびTCLと全摘標本の病理学的所見の関連について解析した。
【結果】各症例の年齢は43~76(中央値68.5) 歳、PSAは3.96~46.4 (中央値7.57) ng/ml、各病変の病理学的長径は10.4~47(中央値15.25)mm、PI-RADS スコアは、class1が16病変、class2が3病変、class3が9病変、class4が20病変、class5が46病変であった。前立腺被膜外進展は19病変であった。PI-RADS陽性群では陰性群に比較して病理学的腫瘍長径15mm以上の病巣が有意に高頻度であった(P<0.01)が、PI-RADSスコアとGleason Score (GS)、被膜外進展との有意な関連はみられなかった(P=0.608、P=0.381)。さらに、MRIにおけるTCL10mm以上の群では、10mm未満の群と比較して被膜外進展、GS8以上の病巣が有意に高頻度であった(それぞれP<0.01)。また、PZの病変では、3T mpMRIにおける腫瘍長径が10mmより長い病変ではそうでない群に比較して有意に前立腺被膜外進展の頻度が高かった。(P<0.01)
【結語】術前3T mpMRIに基づき算出したTCLと腫瘍長径は、特にPZにおいて前立腺被膜外進展を正確に予測できる可能性がある。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:診断

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