演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

血液疾患で化学療法を受けている患者に転倒要因に関する一考察

演題番号 : P8-4

[筆頭演者]
阿部 美香:1 
[共同演者]
佐々木 宣孝:1、古賀 亜希子:1、運上 朋世:1、伊藤 杏紗:1、佐野 昌美:1

1:東邦大学・医療センター大森病院

 

Ⅰ.はじめに
血液疾患には、白血病や悪性リンパ腫などがある。主な治療方法として化学療法があり、ストロイド剤を併用する事が多い。化学療法の副作用として汎血球減少、腫瘍崩壊症候群などが多く、汎血球減少をきたすと貧血や出血傾向、易感染傾向といった症状が出現し血球が著しく下がる。腫瘍崩壊症候群では、腫瘍細胞が破壊され電解質のバランスが崩れ、不整脈や急性腎不全に至る場合がある。腫瘍細胞が多い場合には、予防的に治療開始前や治療後に輸液を実施することがある。
Ⅱ.研究目的
A病棟は血液疾患の患者が化学療法施行目的で入院する事が多い。化学療法施行後の転倒が近年増えてきており、副作用により貧血が進行した事が原因で転倒している事が考えられた。先行研究では、血液疾患の化学療法を受けている患者と転倒要因は明らかになっていない。そこで、今回、化学療法を実施後に転倒した血液疾患に患者の転倒要因を検討する事を目的とした。
Ⅲ.研究方法
1.対象
平成23~27年度の5年間でA病棟に入院した化学療法を施行し転倒した血液疾患患者57名。
2.研究方法
後ろ向き研究。電子カルテの記録情報を収集し記述的データから分析。
Ⅲ.倫理的配慮
東邦大学医療センター大森病院の倫理委員会の承認を得て実施(審査番号:M16086)
Ⅳ.結果
転倒時期は治療開始10日未満:24名、20日前後:20名。転倒時に貧血を呈していた患者:53名。発熱患者:1名。末梢ライン挿入中の患者:26名、1日に1L以上の輸液を実施していた患者:17名。化学療法でステロイド剤を投与していた患者:18名、そのうち、睡眠薬・精神安定剤を服用:10名。
Ⅴ.考察
血液疾患における化学療法の特徴として、ステロイド剤を併用する事が多い。その副作用による不眠の影響で睡眠薬を服用する事が多く、中途覚醒した時間が転倒に影響している可能性があると考えた。本研究において転倒時に貧血を呈する患者がほとんどであり、副作用の貧血を有する患者が多い傾向にある事がわかった。治療開始10日未満に転倒した患者が多く、輸液を1日に1L以上実施していた患者が17名であった事から、腫瘍崩壊症候群の治療または予防のため輸液加療を行なっている場合も転倒する傾向が多いと考えた。
Ⅵ.今後の課題
今回の研究結果により転倒の傾向がわかった。今後の課題としては、転倒と化学療法の因果関係を明らかにし本研究で得られた知見を基に今後の転倒予防策について検討していく事が挙げられる。

キーワード

臓器別:造血器・リンパ

手法別:がん看護

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