演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

Stage D2前立腺癌に対するデガレリクス併用CAB療法の臨床的検討

演題番号 : P61-3

[筆頭演者]
明比 直樹:1 
[共同演者]
児島 宏典:1、日下 信行:1、神原 太樹:2、榮枝 一磨:3

1:財団法人津山慈風会津山中央病院・泌尿器科、2:高知県・高知市病院企業団立高知医療センター・泌尿器科、3:日本赤十字社岡山県支部岡山赤十字病院・泌尿器科

 

【目的】本邦では2012年10月からデガレリクス(Gn-RH antagonist)が使用可能となったが、海外では単剤でデガレリクスがGn-RH agonistと比べPSA高値の症例で有効であったとの報告や心血管疾患の既往のある症例で心血管イベントの上昇が小さいことが報告されている。しかし本邦におけるはっきりしたデータはなく、また再燃リスクが高い症例にはビカルタミドを併用したCAB療法が施行されることが多く、デガレリクスのポジショニングははっきりしない。今回stage D2の進行前立腺癌に対してGn-RH antagonistとGn-RH agonistを併用したCAB療法の有効性の比較をするためretrospectiveな検討を行った。
【対象と方法】当院において2013年8月-2015年9月までデガレリクス併用CAB療法を施行したstage D2前立腺癌 29例(以後デガレリクス群)について①PSA nadir値、PSA nadirまでの期間、②PSA無増悪生存率、③治療開始後3・12ヵ月後のPSA変化率、④治療前、3・12ヵ月後のテストステロン値、アルカリフォスファターゼ値、⑤疾患特異的生存率、全生存率について検討した。また2006年7月-2013年6月まで当院でGn-RH agonist併用CAB療法を施行したstage D2前立腺癌46例(以後アゴニスト群)をコントロール群とした。
【結果】デガレリクス群とアゴニスト群のiPSAはそれぞれ中央値232.2ng/ml(平均値1447.5)、283ng/ml(1149.7) 、follow-up期間は5-40ヶ月(中央値21ヶ月)、6-121ヶ月(中央値38ヶ月)であった。PSA nadir値はデガレリクス群、アゴニスト群でそれぞれ中央値0.31ng/ml(平均値8.26)、1.26ng/ml(21.8)であり、PSA nadirまでの期間は中央値11ヵ月(平均値13ヵ月)、6ヵ月(8ヵ月)でデガレリスク群で延長しており、またPSA無増悪生存率についてはデガレリクス群がアゴニスト群に比べ有意に良好であった。また治療開始12ヶ月後のテストステロン値はデガレリクス群で平均15.9ng/dl(中央値15.2)でアゴニスト群の29.5ng/dl(33.0)に比べやや低値だった。
【まとめ】stageD2前立腺癌に対するデガレリクス併用CAB療法はGn-RH agonist併用CAB療法に比べPSA nadirまでの期間を延長し、PSA無増悪生存率を改善した。今回の検討ではそれぞれの群で治療時期が異なった後ろ向き検討であり、今後前向き試験が必要と思われる。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:内分泌・ホルモン療法

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