演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

前立腺癌 CAB 療法における GnRH antagonist と LHRH agonist の治療効果の比較

演題番号 : P61-2

[筆頭演者]
徳光 正行:1 
[共同演者]
大山 哲平:1、山口 聡:1、増井 則昭:1、金子 茂男:1、海老澤 良昭:2、水永 光博:3、石田 裕則:1

1:医療法人仁友会 北彩都病院・泌尿器科、2:医療法人仁友会 北彩都病院・消化器科、3:医療法人仁友会 永山腎泌尿器科クリニック・泌尿器科

 

【緒言】欧米のDegarelix単剤治療では、IPSS 12以上、PSA 50ng/ml以上、骨転移症例で、制癌や排尿障害改善効果が示され投与が推奨されている。
我々は2013年以降の本集会で、Degarelix/Bicalutamide CAB療法について、速やかなPSA制御と、治療開始時IPSS 10以上、PSA 30ng/ml以上、PV 30cc以上の症例での、排尿症状/機能の有意な改善を確認し、担癌量の多い症例に対する治療の優位性を順次報告してきた。
今回、Bicalutamide併用CAB療法での、DegarelixとGoserelinの48週までの治療効果比較と、治療薬選択の指標について検討した。

【方法】BicalutamideとDegarelix併用(D群)40例、Goserelin併用(G群)35例の、PSA、Testosterone(T)、前立腺体積(PV)、total IPSS(S)、QOL(L)、最大/平均尿流率(MFR/AFR) 、残尿量(RU)を比較した。

【結果】D:G両群の、治療開始時の年齢、PSA、T、PVに差はなかった。
G群で、Goserelin投与前にBicalutamideが平均11日間先行投与され、Goserelin開始時、PSAは既に-43.1%低下していたが、平均T値は治療前4.12からGoserelin開始時6.28 ng/mlとflareがみられ、4週目で去勢域に低下し維持された。D群ではT値は投与後速やかに去勢域に低下し維持された。PSA低下率はD:G群で2週目-64.0:-75.9、4週目-86.8:-89.2、12週以降で-98~-99%と、またPV縮小率もD:G群で4週目-20.0:-25.8、12週目-35.4:-36.1、48週目-47.8:-48.9%と、両群に差はなかった。
一方、排尿症状/機能について、D群のS、L、MFR/AFR、RUの全指標が、G群に比べ、4~48週まで有意に改善し持続した。
これまでの我々のD群のみの検討で、PV 30cc以上の症例で、それ未満の症例に比べ、PV縮小率と、排尿症状/機能の有意な改善を確認していたので、今回、D:G両群のPV 30cc以上の症例(20:18例)を比較した。4~48週まで、PSA制御とPV縮小率は両群に差はなかったが、D群において排尿症状/機能の全指標が有意に改善していた。

【結論・考案】Degarelix使用CAB療法は、Bicalutamide先行Goserelin CAB療法に比べ、担癌量の多少に関わらず、排尿症状/機能を有意に改善させた。これは、Degarelixが膀胱頸部~前立腺部尿道に分布するGnRH受容体を直接阻害し、機能的閉塞を解除したものと推察された。
またBicalutamide先行投与によりTestosterone flareが見られており、担癌量の多いPV 30cc以上の症例には、初期の制癌と排尿症状/機能改善の両面から、Degarelixの選択が推奨されると考えられた。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:内分泌・ホルモン療法

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