演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

長期ホルモン療法後に胸骨傍リンパ節転移を切除した乳癌の1例

演題番号 : P56-6

[筆頭演者]
高橋 龍司:1 
[共同演者]
君付 優子:1、橋本 宏介:1、松尾 敏弘:1、堀内 彦之:1、赤木 由人:2

1:福岡県済生会大牟田病院・外科、2:久留米大学・医学部・外科学講座

 

乳癌の胸骨傍リンパ節転移に対するリンパ節郭清は,予後改善が見込まれないため一般的には施行されない.一方で,早期乳癌の術後放射線治療において,全乳房照射や胸壁照射に領域リンパ節照射(胸骨傍・内側鎖骨上リンパ節照射)を追加しても,全生存期間への寄与は僅差がみられる程度であった.今回,我々は長期ホルモン療法後に胸骨傍リンパ節転移を切除した早期乳癌の1例を経験したので,若干の文献的考察をふまえ報告する.症例は75歳の女性で,左乳頭陥没を自覚され当科受診.マンモグラフィーで左乳房に微細分葉状腫瘤,乳房USで左EC領域に径2.9×2.5×1.2cm大の低エコー腫瘤を認め,針生検にて乳頭腺管癌,ER強陽性,PgR陽性,HER2陰性と診断.胸部CTで径2.0cm大の胸骨傍リンパ節転移,多数の腋窩リンパ節転移を認め,T2N2bM0 Stage IIIAと診断.患者は手術や化学療法,放射線治療を希望せず,ホルモン療法施行(レトロゾール→フルベストラント→タモキシフェン→アナストロゾール).腋窩リンパ節はPR 維持,胸骨傍リンパ節は径0.9cm大まで縮小化したが,原発巣は次第にPDとなった.患者と話し合った末に手術を希望され,Bt+Ax,胸骨傍リンパ節摘出術施行.第2肋骨内縁の肋軟骨を部分切除し,胸骨角直下の傍胸骨リンパ節を摘出した.病理所見:充実腺管癌,腫瘍径2.2×1.4cm,脈管浸潤なし,ER中陽性,PgR陰性,HER2陰性,Ki-67=12%,腋窩リンパ節転移陰性(0/14),胸骨傍リンパ節転移陽性(1/1),ホルモン療法効果Grade 1aであった.早期乳癌の胸骨傍リンパ節転移は,薬物療法や放射線治療で治療可能であるが,Luminal型乳癌のうち長期予後が期待できる症例,薬物療法の著効症例などでは,治療の効果判定や予後予測因子の検索を目的としたリンパ節摘出も検討する余地があると考えられた.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:内分泌・ホルモン療法

前へ戻る