演題抄録

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開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

術前化学療法によって乳房温存療法が可能となった9例の至適乳腺切除範囲

演題番号 : P56-1

[筆頭演者]
木下 一夫:1 

1:社会医療法人誠光会草津総合病院・乳腺外科

 

当院ではresponse guided treatmentを考慮し、術前化学療法を補助化学療法の中心としている。しかし、それのみならず術前化学療法は奏効により切除範囲が縮小化され、整容性が向上することも大きな役割であると考えている。
今回、2014年からの手術症例のうち術前化学療法によって乳房温存療法が可能となった9例について整容と根治の両面から至適乳腺切除範囲をretrospectiveに検討した。Subtypeはluminal B:5例、TN:3例、luminal-Her2:1例で、化学療法の効果はpCR:3例(Tis:1例含む)、PR:6例であった。術前化学療法後術前のMRIで推定した腫瘍の範囲を切除標本における病理検査結果と比較すると、ほぼ同等であった(MRI=pat)のが6例、MRIよりも腫瘍の範囲が広範であった(MRI<pat)のが3例で、内訳はluminal B:2例、luminal-Her2:1例であった。そのluminal Bの1例は消失した主腫瘍の辺縁に管内病変の遺残が見られ、2ヶ月後に腋窩再郭清を要した。
【考察】①術前化学療法後は乳腺症の影響が減じて腫瘍の範囲がより明瞭となるため、化療後のMRIを参考に切除marginを小さくすることが可能であった。②luminal typeにおいてはMRIで描出されない管内病変や微小浸潤病変の存在の危険性がある。③術中迅速病理を用いても再手術(再切除)が必要となる危険性があることを患者、医療者双方の理解した上で温存治療は成立する。
【結語】subtype別でluminal typeでは切除範囲の縮小に関してより慎重になることが必要かもしれない。
今回の検討は症例数が少なく検討としては不十分であるが、術前薬物治療とオンコプラスティック手技に加え、患者の理解と医師の思いにより高次の乳房温存療法が可能となると考えている。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:手術療法

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