演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

当院の転移・再発膵癌に対するFOLFIRINOX療法とGEM+nabPTx療法の経験

演題番号 : P48-2

[筆頭演者]
大村 仁昭:1 
[共同演者]
武田 裕:1、桂 宜輝:1、阪本 卓也:1、河合 賢二:1、稲留 遵一:1、内藤 敦:1、村上 剛平:1、賀川 義規:1、益澤 徹:1、竹野 淳:1、柄川 千代美:1、加藤 健志:1、田村 茂行:1、村田 幸平:1

1:独立行政法人労働者健康安全機構関西労災病院・外科

 

【背景】GEM単独療法に対する生存期間の延長を認めた事から、本邦でも転移・再発膵癌に対する化学療法として、2013年12月にFOLFIRINOX療法が、2014年12月にGEM+nabPTx療法が保険収載され、一次化学療法としての効果が期待されている。当科で施行したFOLFIRINOX療法およびGEM+nabPTx療法について、その効果と有害事象について報告する。
【方法】2014年10月から2017年1月までに当科で遠隔転移もしくは再発膵癌に対してFOLFIRINOX療法を施行した16例と、GEM+nabPTx療法を施行した25例について検討した。
【結果】FOLFIRINOX療法/GEM+nabPTx療法で、年齢は67.5歳(56-75)/68.6歳(38-81)、男女比は7:9/12:13、PS (ECOG)-0:1は14:2/25:0、初発遠隔転移: 転移再発は10:6/9:16例、膵頭部癌: 膵体尾部癌は8:8/14:11例、前治療有り: 無しは3:13/11:14例であった。FOLFIRINOX療法症例は、UGT1A1遺伝子多型は全例検査されており、UGT1A1*6シングルへテロ2例、*28シングルへテロ群3例、ワイルド群11例であった。5-FU、LOHP、CPT11、GEM、nabPTxのrelative dose intensityは各々91.7%、79.0%、75.0%、81.9%、81.9%と良好であった。最良治療効果PR: SD: PDは2:11:3/2:20:3例で、disease control rateは81.3/88.0%であった。有害事象はGrade3以上の血液学的毒性は、好中球減少が50.0/44.0%、白血球減少が37.5/24.0%、Hb低下が25.0/20.0%、血小板減少が6.3/8.0%、Grade2以上の非血液学的毒性は、全身倦怠が6.3/32.0%、皮疹が0/16.0%、口内炎が6.3/12.0%、痺れが6.3/8.0%、脱毛が6.3/48.0%、下痢が31.3/0%、嘔気は37.5/0%、食欲不振は25.0/0%であった。FOLFIRINOX療法でGrade3の下血1例、Grade 5の脾摘後重症感染症1例、Grade5の胆管炎、Grade4のアスペルギルス肺炎を認めた。GEM+nabPTx療法で3例のGrade3の腹腔内膿瘍を認め、皮疹は2例でGEMを先発品に変更する事で改善し続行可能であった。6ヵ月無増悪生存率は31.3/36.4%で、6ヵ月全生存率は50.0/78.7%であった。
【考察】FOLFIRINOX療法は重篤な有害事象を併発することがあり十分な観察と対策が必要であると考えられ、GEM+nabPTx療法は好中球減少が多くみられたが重篤な合併症なく安全に施行できた。Dose Intensity及びdisease control rateは良好であり、全生存率も良好なことから、GEM+nabPTx療法は有効な治療選択になると考えられる。ただし症例数が未だ少なく、今後の症例の蓄積とさらなる観察期間が必要である。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:化学療法

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