演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

悪性軟部腫瘍患者を対象としたタミバロテンに関する臨床試験

演題番号 : P40-7

[筆頭演者]
波多江 亮:1,2 
[共同演者]
首藤 紘一:2、佐々 政人:1、菊池 順子:1、田口 泰三:1、谷崎 裕志:1、浜島 秀樹:1、松倉 聡:1、丸山 正二:2、大野 烈士:2,3、江里口 正純:2

1:医療法人社団誠高会おおたかの森病院・外科、2:公益財団法人結核予防会新山手病院・外科、3:医療法人社団相和会渕野辺総合病院・外科

 

【目的】悪性軟部組織腫瘍(肉腫)は切除後の再発が多く、化学療法や放射線治療に抵抗性で切除不能・再発例は一般に予後不良である。レチノイド製剤は血液腫瘍治療薬だが、悪性軟部組織腫瘍に対する有効例も報告されている。レチノイド製剤タミバロテンは悪性軟部組織腫瘍に対する新しい薬理機序に基づく治療薬となる可能性があると考え、探索的臨床試験を実施した。
【対象と方法】前治療歴のある進行・再発悪性軟部組織腫瘍患者を対象とした単群オープン試験とした。組織学的に確定診断されていること、評価可能病変があること、前治療から4週間以上の間隔があること、分子標的薬を含めた標準的化学療法が実施され無効または忍容不能であること、Perfomance Status 0-2を条件として全16症例を登録した。タミバロテン8mg/dayを連日経口投与し、6週間、12週間の時点で画像評価を行い、RECIST ver1.0に準じてPDと評価した時点で治療終了とした。12週後の時点まで病勢コントロールが得られている場合はそれ以後も投薬継続を判断する方針とした。
【結果】登録症例16例の内訳は男性1例、女性15例、年齢中央値は59歳(26-63歳)、組織型は平滑筋肉腫が8例、脂肪肉腫が4例、滑膜肉腫が3例、未分化肉腫が1例であった。投与開始6週以前に中止した症例が5例あり、6週目の中間評価対象となった11例中SDが6例、PDが5例であった。6週以降も治療継続した6例中、12週以前に中止した症例が1例あり、12週目まで治療を完遂した残り5例全例がSDで、全期間を通じて腫瘍縮小例は認めなかった。12週時点までの病勢コントロール率は31%(5例/16例)であった。12週後以降も治療継続を希望した4例のうち2例は病勢コントロールを得ながら1年以上治療を継続した。有害事象は皮膚障害(9例)、関節痛(9例)が最も多く、頭痛(5例)、口内炎(2例)、浮腫(2例)がそれに次いだ。有害事象で治療中止となった1例は関節痛が原因であった。
【結語】タミバロテンは腫瘍縮小効果は認めなかったものの良好な病勢コントロールを示した。症例数は限られるが長期有効例もあり、比較的忍容性も高いことから悪性軟部組織腫瘍の治療選択肢となる可能性がある。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:Clinical Trial (臨床試験)

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