演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

エリブリン承認後の悪性軟部腫瘍実臨床における使用の現状

演題番号 : P40-4

[筆頭演者]
陶山 浩一:1 
[共同演者]
岩瀬 弘敬:1,2

1:熊本大学・医学部附属病院・がんセンター、2:熊本大学・大学院生命科学研究部・乳腺内分泌外科

 

【背景】昨年本邦で「悪性軟部腫瘍」に対してエリブリンが承認された。これは進行または再発の悪性軟部腫瘍(脂肪肉腫または平滑筋肉腫)を対象とした臨床第III相試験において、エリブリンがダカルバジンに対して全生存期間の有意な延長を示した結果に基づく。それ以降、悪性軟部腫瘍に対してエリブリンが用いられているが、希少疾患であるが故に実際の投与経験は多くの施設で乏しいのが現状である。
【目的】2016年エリブリン承認後の進行または再発の悪性軟部腫瘍症例について、実臨床におけるエリブリン使用の現状を後方視的に調査し、効果や副作用の発現状況を検討した。
【結果】2016年7月から2017年3月までに7名の悪性軟部腫瘍患者にエリブリンを使用した。年齢中央値は72歳(18-78歳)、男性4名女性3名であった。組織型は、平滑筋肉腫3例、脱分化型脂肪肉腫1例、乳腺葉状腫瘍1例、粘液線維肉腫1例、未確定(線維形成性小細胞腫瘍、Ewing肉腫、滑膜肉腫などの可能性あり)1例、であった。全例で1次治療はアドリアマイシンを使用していた。エリブリンの導入ラインは2次治療5例、3次治療1例、4次治療1例であった。治療効果可能症例は6例で、病勢制御率67%(4/6)、無増悪生存期間中央値は108.5日であった。72歳女性・平滑筋肉腫肺転移の症例は3次治療であったが奏効せず初回の効果判定でPDとなった。有意な毒性は認めなかった。24歳女性・乳腺葉状腫瘍骨転移再発症例では標的病変はSDであったが左前額部に新規病変が出現しPDと判断した。本症例では前治療のアドリアマイシンが奏効したが、極量まで投与し心筋障害も出現していた。66歳男性・脱分化型脂肪肉腫症例は腹腔内再発後のエリブリン投与でSDを維持後、新規病変出現なく再発巣のみが増大したためその段階で症状緩和の目的も加味して切除を行い術後もエリブリンを継続した。これにより半年超の病勢制御を達成できた。グレード3以上の重篤な毒性が発現した症例はなかった。
【考察】少数例の検討だが、エリブリンは既報のRCTとほぼ同程度の効果を実臨床でも示した。既報のRCTには含まれていない組織型の患者に対する効果は現時点では不詳だが、希少な組織型の症例も集積を進めてその効果を検証していくべきである。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:化学療法

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