演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

進行期軟部肉腫に対してエリブリンで加療を行った症例検討

演題番号 : P40-3

[筆頭演者]
中村 知樹:1 
[共同演者]
松峯 昭彦:2、松原 孝夫:1、淺沼 邦洋:1、萩 智仁:1、須藤 啓広:1

1:三重大学・大学院医学系研究科・運動器外科学、2:福井大学・医学部・整形外科

 

【はじめに】2012年以降軟部肉腫に対して,pazopanib, trabectedinおよびeribulinが続々と使用可能となり,主に進行期の軟部肉腫に使用されている.Eribulin (Haraven®;以下本剤)は2016年より使用開始となっており,治験では脂肪肉腫に対して有効性が示唆されているが,本法では組織型に制限なく使用可能である.今回当科で進行期軟部肉腫に対して加療を行った7例について検討したので報告する.
【対象と方法】症例は45歳から69歳までで,男性5例,女性2例である.組織型は脱分化型脂肪肉腫2例,滑膜肉腫,粘液線維肉腫,骨外性骨肉腫,平滑筋肉腫、UPSがそれぞれ1例であった.使用目的は5例が転移巣に対して,1例が局所および転移巣に対して,1例が局所再発に対して使用していた.ドキソルビシンによる前治療歴は2例で行われていた.投与量は通常量である1.4mg/m2で行い,1コース目は入院で行った症例もあったが、以後は全例外来にて施行した.評価はRECISTを用いた画像評価およびCTCAEによる有害事象および生命予後について行った.平均経過観察期間は33週であった.
【結果】CTCAEにおけるGrade3以上の有害事象は認めなかった.しかし肺転移に対して使用した症例では,本剤投与後胸水が急激に増加し,在宅酸素まで導入,その後軽快した.本剤投与前より急激な腫瘍の増大を認めたため,腫瘍によるものか,本剤によるものかは不明であった.全例最終的にRECIST評価でPDに至っていたが,PD後も2例は継続して使用していた。また1例がPazopanibへ移行し,1例がGemcitabine, Docetaxelを,1例が治験参加中で,残る2例は緩和療法へ移行した.RECISTによる最優良効果はPR1例,SD3例,PD3例であった.SD以上の組織型は,PRが粘液線維肉腫の肺転移症例で,SDが滑膜肉腫,平滑筋肉腫、UPS 症例であった.50%無増悪期間は13.1週であった.PRおよびSDが得られた症例は19週から37週までコントロールが維持できていた.最終転帰はAWD5例,DOD2例であり,DODの2例は本剤開始後28週および48週で亡くなっていた.生存中の5例は本剤投与後12週から56週生存している.
【考察】本剤は当初脂肪肉腫に対して有効性を示す治験の結果であったが、当科では他の組織型でSD以上の評価が得られたのが特徴的であった.入院を要する有害事象の出現はなく,比較的安全に使用できていた.今後さらに症例を蓄積していき,さらなる本剤における有効性を明らかにしていくことが重要である.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:化学療法

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