演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

悪性軟部腫瘍 5 例に対するエリブリンの治療経験

演題番号 : P40-1

[筆頭演者]
坂本 拡基:1 
[共同演者]
高田 弘一:1、村瀬 和幸:1、江森 誠人:2、杉田 真太朗:3、三浦 翔吾:1、中村 元:1、井山 諭:1、宮西 浩嗣:1、小船 雅義:1、山下 敏彦:2、長谷川 匡:3、加藤 淳二:1

1:札幌医科大学・医学部・腫瘍内科学講座、2:札幌医科大学・医学部・整形外科学講座、3:札幌医科大学・医学部・病理診断科・病理部

 

【背景】
 切除不能または転移再発悪性軟部腫瘍に対する治療の主体は薬物療法である.薬物療法のキードラッグはdoxorubicin と ifosfamide であるが,その治療成績に進歩がみられていないのが現状である.近年,パゾパニブ,トラベクテジンおよびエリブリンが悪性軟部腫瘍を対象として本邦で承認された.これらの新規薬剤の臨床導入により悪性軟部腫瘍の治療成績向上が期待されている.
 エリブリンは,新規の微小管ダイナミクス阻害薬である.同剤は,進行又は再発乳癌の治療薬として2011年よりすでに臨床応用されている.悪性軟部腫瘍においては,前化学療法歴のある進行期脂肪肉腫および平滑筋肉腫を対象に行われた第III相試験の結果,コントロール群に比較してエリブリン群の全生存期間 (OS) が有意に優れていたことから,2016年2月に悪性軟部腫瘍にもその適応が拡大された.
 今回われわれは,進行又は再発悪性軟部腫瘍 5 例に対するエリブリンの初期治療成績を解析したので報告する.
【患者・方法】
 2016年1月から2017年3月までに当科でエリブリンを投与された悪性軟部腫瘍患者5例を後方視的に解析した.男性3例,女性2例,年齢中央値71歳 (67-81歳).病理組織型は,脂肪肉腫 3例(いずれも脱分化型),平滑筋肉腫1例,悪性脊索腫1例.原発巣は大腿 2例,子宮 1例,腹腔内1例,脊索 1例で,転移巣は肺が2例,骨・肝臓・心臓がそれぞれ1例ずつであった.前治療レジメン数は2レジメン以上が3例,1レジメンが1例であった.エリブリン治療は1.4 mg/m2 をday 1, 8 に投与し,1コースを21日とし,年齢・全身状態を考慮し適宜投与量の調整を行った.治療効果判定は CTもしくはMRI検査を行い RECISTで評価した.
【結果】
 エリブリンの施行回数中央値は8 (1-11),観察期間中央値は 186 (130-355) 日.全例でSD が得られた.また,現在も全例生存中で,エリブリン投与を継続している症例は5例中3例であった.血液学的有害事象としてGrade3以上の好中球減少症が3例 (60%) に認められたが,発熱性好中球減少症の発症は1例のみであった.貧血や血小板減少はGrade2以下であった.また,非血液学的有害事象はいずれもGrade2以下であった.
【結論】
 エリブリンは進行又は再発悪性軟部腫瘍患者に対して,有害事象が軽微であり安全に投与可能であった.長期投与も可能であり,OS 改善に寄与する可能性が示唆された.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:化学療法

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