演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

腹腔鏡下大腸癌手術後の早期腹膜播種再発に対し化学療法を行った高齢者の1例

演題番号 : P34-2

[筆頭演者]
安留 道也:1 
[共同演者]
池亀 昂:1、渡邊 英樹:1、中田 晴夏:1、山本 淳史:1、鷹野 敦史:1、井上 正行:1、古屋 一茂:1、宮坂 芳明:1、羽田 真朗:1、飯室 勇二:1、中込 博:1

1:地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院・外科

 

【症例】85歳女性。84歳時、腹部膨満感、排便困難を主訴に当院救急外来受診、腹部レントゲン、CT検査にて横行結腸癌による大腸イレウスが疑われ緊急で下部消化管内視鏡検査が行われた。横行結腸脾彎曲部付近に全周性の腫瘍性病変を認め、腫瘍による狭窄が強かったため大腸ステントが留置され同日入院となった。組織生検では癌は検出されず、腫瘍マーカーはCEA 1.5ng/ml、CA19-9 13.3U/mlと正常範囲内であった。ステント留置後は、腹部症状の改善を認め、食事摂取も良好となったため一時退院となった。画像所見から横行結腸癌と診断、再入院とし約2週間後腹腔鏡下横行結腸部分切除術、D3郭清を行った。術後創感染を認めたが7日目に退院となった。病理所見では、2型、tub2>por2、pT4a(SE)、pN0、INFb、int、ly1、v3、PN0、pPM0、pDM0、pRM0、StageII、根治度Aであった。RAS遺伝子に変異は認められなかった。術後は補助化学療法は行わず経過観察を行っていたが、術後6か月目のCT検査にて骨盤内に結節性病変を認め、腹膜播種が疑われた。FDG-PET/CTによる再検査を行ったところ、腹腔内に数か所の限局性集積が認められ腹膜播種と考えられた。その他の遠隔転移は認められなかった。進行大腸癌のESMO2015コンセンサスガイドラインを用いると本症例は高齢でもあり、腹膜播種のみ認められたことから治療適応の可能性のあるUnfitあるいはBSCが選択されると考えられた。十分な説明を行った後、御家族の希望もありS-1(少量投与)/Bevacizumabによる化学療法を行う方針とした。化学療法開始2か月後のCTでは、播種巣の縮小が認められた。血液検査上あるいは自覚症状では有害事象認めず、化学療法を継続している。【考察】近年大腸癌イレウスに対し、緊急手術回避のため大腸ステント留置、その後腹腔鏡下手術を行う施設は増えていると思われる。一方でJCOG0404の報告ではpT4症例は腹腔鏡下手術群では開腹群に比べ生存率が悪い傾向があるとの報告もされており、腹腔鏡手術の適応についての慎重な検討などが必要と思われる。また高齢化社会を迎え、高齢者の再発患者の増加も予想され、患者の全身状態、再発巣の状態などから適切な治療法を勘案する必要があると思われる。【結語】高齢大腸癌イレウス患者、大腸ステント留置後の腹腔鏡下手術施行例、早期腹膜播種再発に対する非典型的な化学療法施行と示唆に富む症例と思われ報告した。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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