演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

進行性腎細胞癌に対するNivolumabの治療成績

演題番号 : P33-2

[筆頭演者]
引地 克:1 
[共同演者]
深谷 孝介:1、市野 学:1、高原 健:1、深見 直彦:1、日下 守:1、白木 良一:1

1:藤田保健衛生大学・医学部・腎泌尿器外科

 

<緒言>これまでサイトカイン療法しかなかった腎細胞癌に対する薬物療法は、2007年以降、進行性腎細胞癌に対して様々な分子標的薬(TKI、mTORi)が使用されるようになった。さらに2016年よりImmune checkpoint inhibitorであるNivolumabが使用可能となったことで進行性腎細胞癌に対する治療は大きく変化した。
<目的>当院における転移性腎細胞癌患者に対するNivolumabの治療効果・有害事象を検討する。
<対象・方法>2016年10 月以降当院でNivolumabを投与した8例のうち3ヶ月以上の経過観察期間を有する5例を対象とした。年齢、初診時臨床病期、根治的腎摘出術の有無、病理結果、転移部位、MSKCC criteria、薬物療法のシークエンス、治療効果、有害事象(特にirAE)を検討した。
<結果>観察期間;3-7ヶ月(中央値 6)、男性4例、女性1例、年齢 54-84歳 (中央値68)、臨床病期 T1b:1例、T2a;1例、T2b;1例、T3a;2例。根治的腎摘出手術は全例に施行された。病理結果;Clear cell 4例、Chromophobe 1例。転移部位は肺2例、甲状腺 1例、皮膚1例、骨1例、肝1例。MSKCC criteria favorable群 2例、Intermediate群 3例。Nivolumab導入は2nd line;1例、3rd line;2例、4th line;1例、5th line;1例であった。術後薬物療法開始までの期間は1-225ヶ月(中央値 32)。Nivolumab投与回数は3-13回(平均 7.8回)。治療効果はCR 1例、SD 2例、PD 2例で奏功率は20%。PFSの中央値は5ヶ月であった。治療効果はNivolumab前治療の因子(年齢、遠隔転移出現までの期間、薬物療法までの期間、分子標的薬投与数)によらなかった。有害事象はGrade2心不全、Grade3の間質性肺炎(IP)を各1例経験した。
<考察>Nivolumabは分子標的薬投与後2nd lineから投与可能であり、分子標的薬で効果不十分であった症例でも効果を期待できる。今回の検討では奏功率20%と緒家らの報告と同等で、治療効果はNivolumab投与前の因子によらなかった。Immuno oncology drug(I-O drug)の特徴としてpseudo-progressionが存在する。今回、PDと判断した症例は画像上転移巣増大後、投与を継続(計6回)したが、さらなる腫瘍増大を認めたためPDと判断し4th lineの治療に移行した。一方、CRが得られた症例では投与後pseudo-progressionを認めており、I-O drugにおいてはその特徴を考慮し、分子標的薬とは異なる経過観察が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:免疫療法

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