演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

化学療法施行中に発症した消化管穿孔の7例

演題番号 : P29-3

[筆頭演者]
河野 眞吾:1 
[共同演者]
雨宮 浩太:1、土谷 祐樹:1、萩原 俊昭:1、松澤 宏和:1、牧野 有里香:1、茂木 俊介:1、杉本 起一:1、高橋 玄:1、小島 豊:1、五藤 倫敏:1、冨木 裕一:1、梶山 美明:2、福永 哲:2、坂本 一博:1

1:順天堂大学・下部消化管外科、2:順天堂大学・消化器外科

 

【はじめに】化学療法の進歩により、奏効率の上昇と生存期間の延長が得られている。しかしながら、頻度は低いものの、生命に直結する有害事象が生じることがある。特に消化管穿孔は健常者に発症した場合でも重篤な経過をたどることも多く、重要な有害事象のひとつである。今回われわれは、化学療法施行中に消化管穿孔を発症した7例を経験したので報告する。
【症例】症例1: 70歳代、男性。盲腸がん、多発肺転移に対し、FOLFOX+Bevacizumab(B-mab)24コース施行後に発症した小腸穿孔に対し緊急手術施行した。 術後は軽度の麻痺性イレウスを発症したが、術後28日後に退院となった。症例2 : 80歳代、男性。S状結腸がん、多発肝転移に対し、XELOX+B-mab 4コース施行後にIRIS+B-mab 2コース施行後に発症した消化管穿孔に対し緊急手術施行した。穿孔部位同定はできず、人工肛門造設術を施行した。術後は徐々に全身状態悪化し術後46日目に永眠となった。症例3: 60歳代、男性。脳腫瘍放射線治療後再発に対し、B-mab 7コース施行後に上行結腸憩室穿孔を発症し,緊急手術施行した。術後はストーマ排液量のコントロールに難渋し在宅IVHでの補液管理が必要となり、術後69日での退院となった。症例4: 70歳代、女性。横行結腸がん、多発肝転移、多発肺転移に対しXELOX+B-mab 1コース施行後に発症した横行結腸がん穿孔に対し緊急手術施行した。術後は脳梗塞を発症したが徐々に改善し、術後28日後に退院となった。症例5: 40歳代、男性。肺がん、多発脳転移に対しB-mab 4コース施行後に発症した小腸穿孔に対し緊急手術施行した。術後経過は良好であり、術後21日で退院となった。症例6: 70歳代、男性。前立腺がん術後の術後補助化学療法としてGEM+CDDP 2コース施行後に新膀胱穿孔を発症し、緊急手術施行した。術後は尿路感染症が長引いたが、徐々に改善し術後46日目に退院となった。症例7: 40歳代、男性。直腸がん術後、多発肺転移に対しFOLFIRI+B-mab 1コース施行後に発症した消化管穿孔であった。腹部CTでfree airを認めるも本人の強い希望もあり、保存的に加療した。絶食、抗菌薬投与で症状改善し、食事摂取して入院後11日で退院となった。
【結語】B-mabを使用した化学療法に消化管穿孔の発症が6例と多かった。全身状態が悪い症例や著しくQOLが低下している症例もあり、化学療法施行中には十分に注意する必要のある有害事象のひとつである。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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