演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

術後補助化学療法CapeOx施行中に出血性腸炎を来した1例

演題番号 : P29-2

[筆頭演者]
黒田 顕慈:1 
[共同演者]
野田 英児:1、南原 幹男:1、木下 春人:1、森 拓哉:1、寺岡 均:1

1:社団医療法人ペガサス馬場記念病院・外科

 

症例は76歳の男性.直腸癌に対して腹腔鏡下低位前方切除術および回腸瘻造設術を施行した.最終診断はRb, 2型, 70×50mm, tub2, pSS, N2, H0, P0, M0, Stage IIIbであり,術後補助化学療法としてCapesitabine 3,600mg/day,day 1-14+Oxaliplatin 130mg/m*2,day 1(1コース21日間)を術後40日目より開始した.1コース16日目より頻回の嘔吐が出現し,食事摂取が困難となったため,19日目に当科を受診された.来院時腹部所見は平坦軟で圧痛を認めず.回腸瘻より水様便を認めた.血液検査所見はWBC 20,600/μl,CRP 1.8mg/dl,BUN 86mg/dl,Cr 2.26mg/dl,Na 112mEq/l,Cl 74 mEq/l,K 4.7 mEq/l,Ca 8.1 mEq/lであり,炎症反応上昇,腎機能低下,電解質異常を認めた.腹部CT検査を施行したところ,小腸全体の壁肥厚と軽度の拡張を認めた.絶食,補液,抗生剤(CMZ)投与にて経過をみたが,入院4日目にストマより下血をきたし,緊急上部消化管内視鏡検査を施行した.十二指腸球部から観察可能な下行脚まで粘膜潰瘍が散見され,凝血塊の付着を伴っていた.便培養は陰性で,臨床経過より薬剤性の粘膜障害を疑い,プロトンポンプ阻害薬の投与を加え,引き続き保存的加療を継続した.貧血の進行にて輸血を要したが,入院19日目より下血は消失し,炎症反応は徐々に改善した.今回われわれは,直腸癌に対する術後補助化学療法を施行後に出血性腸炎をきたし,長期的な経過をたどった1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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