演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

閉塞性大腸癌にたいする大腸ステントによる治療戦略

演題番号 : P23-6

[筆頭演者]
横山 航也:1 
[共同演者]
大多和 哲:1、清水 善明:1、近藤 英介:1、西谷 慶:1、伊藤 勝彦:1、清水 公雄:1、尾内 康英:1、中田 泰幸:1、松本 玲:1、石井 隆之:1

1:日本赤十字社成田赤十字病院・外科

 

【はじめに】2013年12月~2016年12月までの3年間に閉塞性大腸癌41例に大腸ステントを留置した。その目的は、症状緩和が21例、待機手術(bridge to surgery、BTS症例)が20例であった。今回、BTS症例の短期成績を検討した。
【対象】20例のうち、他院へ転院となった2例を除く18例を対象とした。男性9例、女性9例、年齢は平均67.8歳(49-84)であった。占居部位は、上行結腸1例、横行結腸5例、下行結腸3例、S状結腸6例、直腸S状部3例であった。
【結果(大腸ステント)】成功16例、不成功2例で、不成功の理由はともに「ガイドワイヤー通過困難」であった。食事開始時期は中央値で2日(1-6)であった。(n=15) 留置後の口側検索については、注腸15例、内視鏡1例、未施行2例であり、内視鏡施行例では口側結腸(盲腸)における多発癌の確認が可能であった。術前一時退院は13例(72%)であり、留置から手術までの期間は平均25.3日(13-49)であった。(n=15) 偶発症として留置後2日目に敗血症を発症し緊急手術に至った症例を1例認めた。
【結果(手術)】待機手術が17例(94%)、緊急手術が上記の1例であった。術式は一期的吻合が13例(72%)、ハルトマン手術が4例(緊急1例を含む)、ストマ造設のみが1例であり、全例開腹手術であった。手術時間は平均3時間10分、出血量は平均533ml、術後在院日数は中央値で13日(10-45)であった。術後合併症として、創感染4例、遺残膿瘍1例、縫合不全1例、乳びろう1例を認めたが、いずれも保存的に軽快した。敗血症で緊急手術を施行した症例は術後も全身状態の改善が得られず死亡した。本例は、術中所見として明らかな穿孔を認めなかったものの、病理所見として虚血性腸炎と腸管の出血壊死を認めた。
【考察】BTS症例の短期成績は概ね良好であった。死亡例の原因としてはBacterial Translocationの可能性が示唆された。大腸ステントによる閉塞解除は、十分な減圧効果が得られ、容易な周術期管理のもと、待機手術を安全に行えるというメリットがある。一方、穿孔や虚血などのリスクに十分注意する必要がある。
【結語】閉塞性大腸癌にたいして大腸ステント留置後に待機手術を施行した症例について、短期成績を報告した。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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