演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

高齢者大腸癌症例に対する腹腔鏡手術の妥当性の検討

演題番号 : P23-4

[筆頭演者]
山岸 茂:1 
[共同演者]
後藤 晃紀:1、中堤 啓太:1、堀内 真樹:1、酒井 淳:1、伊藤 慧:1、山本 晋也:1、南 裕太:1、牧野 洋知:1、仲野 明:1

1:藤沢市民病院・外科

 

【背景】高齢者は様々な合併症を有する頻度が高く予備力も乏しいことから、より低侵襲で安全かつ根治性を保った術式が望ましい。腹腔鏡手術は開腹大腸切除と比較して低侵襲で安全性、予後に関して同等であるとの報告もある。また、高齢者に対する腹腔鏡大腸切除は有用であり、短期成績の向上に関連しているとする報告もみられる。
【目的】高齢大腸癌症例に対する腹腔鏡下手術の妥当性について検討した。
【対象と方法】2010年4月から2016年10月までに当院で施行した腹腔鏡下大腸癌手術症例588例を75歳未満のY群(379例)、75歳以上85歳未満のM群(181例)、85歳以上のO群(28例)の3郡に分け、短期、長期成績を比較検討した。
【結果】患者背景因子では性別、糖尿病の既往、喫煙歴の有無、BMI、臨床病期、腫瘍マーカー値(CEA、CA19-9)、腫瘍径で各群に差を認めなかったが、M群O群で高血圧の併存が高く(Y:36.1%, M:54.7%, O:53.6%, p<0.001)、心疾患の既往も多かった(Y:9.5%, M:16.6%, O:25.0%, p=0.002)。呼吸機能では、1秒率には差を認めず、%肺活量ではY群O群間で差を認めた(Y:105.5%±24.8, M:99.0%±26.4, O:88.8%±23.6, p=0.047)。術前Alb値はY群O群間で差を認めたが(Y:4.0±0.5, M:3.9±0.6, O:3.7±0.5, p=0.005)、PNI(小野寺)には差を認めなかった。PS2以上の症例はM群、O群で多かった(Y:4.0%, M:23.2%, O:42.9%, p<0.001)。手術因子では手術時間や出血量、郭清度に差を認めなかったが、M群O群では人工肛門造設が少なかった(Y:6.3%, M:1.7%, O:0%, p=0.023)。術後合併症率は群間で差を認めなかった(Y:21.4%, M:24.3, O:39.3%, p=0.086)。各合併症の群間比較では、縫合不全、腸閉塞、SSIでは差を認めなかったが、せん妄(Y:3.2%, M:11.6%, O:21.4%, p<0.001)、肺炎(Y:0.8%, M:3.3%, O:7.7%, p=0.013)はM群O群で多かった。術後在院日数には差を認めなかった(Y:11日±8, M:10日±6, O:10日±5, p=0.179)。長期成績では5年無再発生存率(Y:85.8%, M:88.6%, O:79.8%, p=0.866)、5年生存率(Y:91.6%, M:79.7%, O:70.0%, p=0.146)と各群で差を認めなかった。
【結語】当院における高齢者大腸癌患者に対する腹腔鏡手術は妥当であると考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:内視鏡手術

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