演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

腹腔鏡手術を施行した80歳以上の高齢者大腸癌の短期治療成績

演題番号 : P23-2

[筆頭演者]
吉松 和彦:1,2 
[共同演者]
伊藤 嘉智:1、佐野 恵美:1,2、今泉 理枝:1、上原 咲恵子:1、佐竹 昌也:1,2、浅香 晋一:1,2、小池 太郎:1、横溝 肇:2、成高 義彦:2

1:社会福祉法人恩賜財団済生会支部埼玉県済生会栗橋病院・外科、2:東京女子医科大学・東医療センター・外科

 

【はじめに】大腸癌に対する腹腔鏡手術は手術時間は長いが低侵襲とされており、高齢者に対しても施行されるようになった。当科でも内視鏡外科技術認定医の赴任後積極的に高齢者大腸にも腹腔鏡手術を施行している。今回は、当科で腹腔鏡手術を施行した80歳以上の高齢者大腸癌症例の短期成績を検討したので報告する。
【対象・方法】対象は2012年3月から2017年2月までに当科で腹腔鏡手術を施行した80歳以上の高齢者大腸癌の23例で、周術期の臨床病理学的因子について病歴から後方視的に検討した。なお、出血量少量との記載は出血量5mlと規定した。
【結果】対象症例の年齢中央値は84(80-90)歳で、男性11例、女性12例であった。腫瘍占居部位はCからT (PC) 7例、D、SおよびRS (DS) 13例、R 3例で、T3,4が16例、リンパ節郭清はD3(D2 prx3含む)が20例であった。術前PSは0/1/2各10/11/2で、ASA分類はASA2/3各17/6で、全例に何らかの併存症を認めた。手術時間の中央値は180(116-513)分で、出血量は5(0-365)mlであった。3日目のCRPと白血球数は各11.26(2.65-27.29)、9110(4510-20920)であった。術後合併症は6例に認め、内訳はイレウス3例、下血2例、せん妄、浮腫、尿路感染、カテーテル感染各1例であった(重複あり)が、SSIは認めなかった。合併症症例の3日目のCRPは有意に高値(p=0.0476)であったが、術前PS、肺機能障害の有無、ASA分類と合併症の発生には関連を認めなかった。術後在位日数の中央値は3名の転院(紹介への転院2名)を含め14(8-47)日であり、術後合併症で在院日数は延長した(あり16.5日:なし12日p=0.0071)。fStageは0・I/II/III/IVが6/9/6/2例で、術後観察期間中央値7か月の現在、他癌の再発1例、死亡1例(fStage IVの原癌死)で、2年DFS 91.7%であった。
【結語】当科で経験した80歳以上の高齢者大腸癌に対する腹腔鏡手術症例を検討した。進行癌に対しほぼ通常の郭清範囲で施行されていたが、重篤な術後合併症を認めなかった。現時点で他病死はなく、大腸癌に対する腹腔鏡手術は80歳以上の高齢者に対しても安全に施行可能な低侵襲手術と考えられる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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