演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

高齢者結腸癌手術における腹腔鏡手術と機械的術前処置が術後消化管運動に与える影響

演題番号 : P23-1

[筆頭演者]
山田 岳史:1 
[共同演者]
横山 康行:1、小泉 岐博:1、進士 誠一:1、松田 明久:2、高橋 吾郎:1、岩井 拓磨:1、武田 幸樹:1、原 敬介:1、堀田 正啓:1、松本 智司:2、内田 英二:1

1:日本医科大学・付属病院・消化器外科、2:日本医科大学・千葉北総病院・外科

 

【背景】結腸癌腹腔鏡手術は開腹手術と比較し低侵襲であり、安全性も劣らないと考えられているが、心肺機能が低下している高齢者では手術時間が長くなるためリスクが高まる可能性が危惧されている。また、高齢者は便秘のことが多いため機械的前処置の必要性が高いと考える医師は少なくない。一方で、Enhanced Recovery After Surgery (ERAS)プログラムでは腹腔鏡手術を行うことや、機械的前処置を行わないことが推奨されている。本研究では、術後合併症の回避という観点から、より早期回復が重要と考えられる高齢者結腸癌手術において、腹腔鏡手術と機械的前処置が術後消化管運動の回復に与える影響を検討した。
【方法】対象は2009年4月から2015年4月までの間に待機的に手術を行った75歳以上の結腸癌症例である。消化管運動の評価は放射線不透過マーカーSITZ MARKS (SM)を用いた。SMを執刀2時間前に内服させ、術後3日目の腹部単純写真にて小腸内にSMが残存しない症例を早期回復群とした。多変量解析を行い、性別、右側結腸、貧血、糖尿病、脳神経疾患等の合併、BMI20以下、ポリエチレングリコールの内服、ピコスルファートの内服、腹腔鏡手術、手術時間、輸血の有無、輸液量のうち早期回復に寄与する因子を抽出した。
【結果】期間内に597例の結腸癌手術が行われ、そのうち74歳以下、緊急手術例、人工肛門造設例、他臓器合併切除例、吻合を2カ所以上行った症例、術後ICU入室例を除外した166例(腹腔鏡手術111例、66.9%)が対象となった。縫合不全を1.2%、術後イレウスを6.6%、SSIを2.4%に認めた。腹腔鏡手術とポリエチレングリコールの内服なし、が術後消化管運動を早期に回復させる有意な因子であった。ポリエチレングリコールの内服の有無は縫合不全、術後イレウス、SSIなどの合併症発症率に影響を与えなかった。
【結語】高齢者の結腸癌手術において、術後消化管運動を早期に回復させるためには腹腔鏡手術を行い、ポリエチレングリコールによる機械的前処置は行うべきでない。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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