演題抄録

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開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

ラムシルマブ+パクリタキセル療法が奏効した高齢者再発胃癌の1例

演題番号 : P181-6

[筆頭演者]
平野 勝康:1 

1:市立輪島病院・外科

 

症例は,85歳,女性.高血圧,高コレステロール血症で近医通院中であった.2012年に心窩部痛出現した.貧血を認めたため上部内視鏡検査を施行したところ胃前庭部小彎から前庭部に隆起性病変を認め,生検でtub2と診断されたため,加療目的に当科紹介となった.内視鏡の再検査では,胃前庭部小彎から前壁に約1/3周性のType 0-IIa病変を認めた.腫瘍径が3cm以上であるため手術による切除の適応であると説明したが,御本人および御家族ともに同意が得られず,内視鏡による切除を強く希望したためESDを施行した.病理学的検索では,大部分は粘膜内であるものの,一部に粘膜筋板を越えて浸潤しておりpT1b1, tub2, 45×40mm, UL(-), ly(+), v(+), pHM0, pVM0と診断された.以上から,再度手術による治療を勧めたものの,強く拒否をされ,やむを得ず経過観察となった.術後3年目の腹部CT検査で,膵頭部周囲および腹部大動脈周囲のリンパ節の腫大が出現し,胃癌の再発と診断した.化学療法による治療には同意されたが,高齢者であることと副作用の観点からS-1, CDDP, L-OHPによる治療を拒否された.しかし通常は2nd line以後に使用されるラムシルマブ(Ram)+パクリタキセル(PTX)による治療は同意されたため開始した.5クール終了後にはリンパ節は縮小し,8クール終了時点でも縮小は維持されていた.この時点でPTXの中止とRam単独での継続を希望された.現在,Ram単独投与で8か月経過しているが,リンパ節の再腫大は認めていない.また,副作用の出現もなく継続加療中である.
RamはVEGFR-2に対する完全ヒト型IgG1モノクローナル抗体である.切除不能進行・再発胃癌に対する2次治療患者を対象としたREGARD試験においてpalceboに対するRam単剤の優越性が示された.同様の対象としたRAINBOW試験でweekly PTXに対するRamの上乗せ効果が示された.今回,高齢者胃癌のリンパ節再発症例に対し副作用もなく,Ram+weekly PTX療法が奏効した症例を経験したので報告する.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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