演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

生検で扁平上皮癌を認めた胃がん3例の考察

演題番号 : P181-3

[筆頭演者]
小林 由夏:1 
[共同演者]
杉谷 想一:1、木村 成宏:1、罇 陽介:1、高野 明人:1、飯利 孝雄:1、小林 寛:2

1:医療法人立川メディカルセンター立川綜合病院・消化器内科、2:医療法人立川メディカルセンター立川綜合病院・病理部

 

【はじめに】胃原発の上皮性悪性腫瘍のほとんどは腺癌であり、扁平上皮癌(SCC)は極めて稀である。当科で経験した3例について考察した。【症例1】64歳、男性。貧血で受診し、体部小弯1型胃癌を認めた。CT上広範なリンパ節転移、腹膜播種を認め、化学療法の方針となり、生検でSCCを認めたことから標準的FP療法を選択した。最良治療効果はSD、4コースで病態は進行し2次治療としてS-1/ドセタキセル併用療法を導入したが診断後9か月で現病死した。【症例2】47歳、女性。検診異常の精査で体部大弯に3型腫瘍を認めた。CT上リンパ節転移、腹膜播種を認め、生検ではSCCであったことから、標準的FP療法を開始した。2コース後吐血にて原発巣を姑息的に切除し、2次治療としてパクリタキセル、3次治療としてS-1/ドセタキセル併用療法を導入したが診断後13か月で現病死した。【症例3】70歳、男性。心窩部つかえ感の精査で噴門部に2型腫瘍を認めた。CT上リンパ節転移あり、生検ではSCCで標準的FP療法を開始した。3コース施行後、リンパ節の縮小を認め噴門測胃切除+下部食道切除を行った。術後病理学的奏功Grade1aであったが、リンパ節には腫瘍細胞を認めずn0の判定であった。診断後5か月、生存中。【考察】胃原発SCCについては①異所性扁平上皮由来②未分化基底細胞由来③腺癌の扁平上皮化生などが考えられる。症例1ではCEA, CA19-9の上昇、症例2では切除標本に腺癌成分がみられたことから②もしくは③が疑われるが、症例3は発生部位とSCCのみの由来であったことから、①の可能性が高い。SCCであった場合の一次化学療法は標準的FP療法であるが、症例1、2ともに効果は不十分で、予後は不良であった。いずれの症例も腺癌細胞の混在が疑われ、抗がん剤感受性の違いなどを考慮してFP療法にタキサン製剤を追加する多剤併用療法を考慮すべきだったかもしれない。【結語】胃腫瘍の生検でSCCを認めたとき、腫瘍の部位や進行度、腫瘍マーカーを参考に、通常の腺癌や扁平上皮癌のレジメンにとらわれない薬剤選択を検討すべきだと考える。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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