演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

放射線治療が有効であった未分化多形肉腫の1例

演題番号 : P181-2

[筆頭演者]
乾山 光子:1 
[共同演者]
菊池 由宣:1、西川 雄祐:1、小林 智子:1、岡野 直樹:1、清水 友理:2、新部 譲:2、寺原 敦朗:2、五十嵐 良典:1

1:東邦大学・医療センター大森病院・消化器内科、2:東邦大学・医療センター大森病院・放射線科

 

【目的】未分化多形肉腫は、50~70歳代男性に多く、四肢体幹に好発するとされている稀少な悪性腫瘍である。その中でも消化管への転移は、剖検を含めても4%との報告があり、極めて稀である。有効な治療法が明確に確立されていないが、今回放射線治療が有効であった転移性胃未分化多形肉腫の1例を経験したので報告する。【概要と経過】症例は40歳代男性。胸水貯留の精査で左心房に腫瘤を認めたため、2014年9月に心臓血管外科で腫瘍摘出術と僧帽弁置換術を施行した。しかしながら心、肺静脈内の腫瘤残存のため、根治術とはならなかった。このときの摘出検体にて未分化多型肉腫と確定診断した。同時期の画像検査で甲状腺腫瘤も指摘しており、生検で心腫瘤と同形態の細胞所見であった。初診時から両腫瘤を認めていたため、原発は不明であった。増大速度が速く気道を圧排するため、窒息回避の目的で同年11月内分泌外科にて甲状腺全摘術を施行した。予後不良な腫瘤と告知の後、QOLを重視したいという患者希望で、積極的治療はなされなかった。2015年1月に黒色便を自覚し、上部消化管内視鏡で胃体中部大弯に約50mm大の腫瘤性病変を認めたため、当科に紹介となった。易出血性腫瘤でHb 3g/dlの重症貧血があり生検は行わなかった。1か月前のCT検査では指摘し難い腫瘤が急速に増大した経緯から、未分化多形肉腫の胃転移と判断した。内視鏡的止血術と輸血で循環動態は安定するが、出血性貧血を繰り返すため、同年3月に出血コントロール目的に放射線治療30Gyを施行した。腫瘍は内視鏡肉眼像で瘢痕を呈するのみとなった。これを機に積極的治療を希望するようになり、全身化学療法を開始した。パゾパニブ塩酸塩:14カ月、エリブリンメシル酸塩:1カ月、トラベクテジン:2カ月投与した。RECISTによる評価でパゾパニブ塩酸塩はSDで長期投与可能であったが、他の2剤はPDであった。2017年1月にBest supportive careへ移行した。経過中、左房内の残存腫瘤、右胸腔内腫瘤、両側大腿腫瘤に対しても疼痛コントロール目的に放射線照射を繰り返したが、画像評価では多くの部位で壊死像を示した。疼痛は緩和され、発症から2年6か月経過した現在も存命である。【考察】未分化多形肉腫に対して、放射線治療が有効な治療選択なりうる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:放射線治療

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