演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

胃癌同時性肝転移に対し、SOX(S-1+L-OHP)療法後にR0切除を施行した1例

演題番号 : P178-5

[筆頭演者]
服部 卓:1 
[共同演者]
間中 大:1、小西 小百合:1、安 英男:1、西川 泰代:1、工藤 亮:1、川口 清貴:1、濱洲 晋哉:1、西躰 隆太:1

1:社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院・外科

 

・はじめに
胃癌同時性肝転移症例の予後は不良である。胃癌取扱い規約では、肝転移は非治癒因子として扱われ、全身化学療法が標準治療とされているが、その予後は概ね1年程度と報告されている。しかし近年、外科的切除後の長期生存例も報告されており、R0切除を念頭とした治療戦略を検討していく余地があると考えられる。今回、胃癌同時性肝転移に対し、SOX療法4コース後にR0切除を施行した1例を経験したため報告する。
・症例
症例は68歳男性。2016年8月、Hb低下(6.2mg/dl)に対する精査として施行されたGIEにて胃癌が指摘された。GIEでは胃体上部後壁小弯側にBorrmann1型腫瘍、組織生検ではAdenocarcinoma(group5、tub2)、EUSにて第5層までの浸潤(SE)、腹部CTにてS4に短径13mmの単発肝転移と短径13mmの小弯側リンパ節転移を認め、審査腹腔鏡ではCY0、P0であったため、cStageIV (T4a(SE),N2,M1(H1))の診断となった。同年11月よりSOX療法を施行し、4コース終了後の効果判定では、RECIST評価にて肝転移巣はPR(13→7mm)、小弯側リンパ節はPR(13→6.5mm)と縮小を認めた。根治的手術が可能と判断し、2017年3月に腹腔鏡下にて幽門側胃切除術と肝部分切除術を施行した。術後病理診断では、pStageIA (T1a(M),N0,M0)の診断となり、原発巣では粘膜内のみに腫瘍細胞が認められ、肝転移巣やリンパ節からは腫瘍細胞は検出されなかった。術後経過は良好であり、POD13に退院となった。
・まとめ
胃癌同時性肝転移に対し、化学療法後にconversion surgeryとして原発巣と転移巣を腹腔鏡下に同時切除した1例を経験した。切除不能・進行胃癌に対し、化学療法後に外科的切除を施行し長期生存が認められた報告は認められるが、SOX療法後の切除例の報告は未だ少ないのが現状である。長期生存を目標とし、R0切除を念頭とした治療戦略を検討する際、審査腹腔鏡にて病勢を把握し、SOX療法にて腫瘍の局所・全身コントロールを施行し、適切な時期にR0切除を目指した外科的切除を施行することが、予後改善に寄与する可能性があると考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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