演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

化学療法が著効し切除しえた切除不能進行胃癌の2例

演題番号 : P178-3

[筆頭演者]
藤田 翔平:1 
[共同演者]
木全 大:1、門野 政義:1、松岡 義:1、松田 睦史:1、笹倉 勇一:1、田口 昌延:1、伊澤 祥光:1、寺内 寿彰:1、古川 潤二:1、尾形 佳郎:1、小林 健二:1、篠崎 浩治:1

1:社会福祉法人恩賜財団済生会宇都宮病院・外科

 

近年,切除不能進行胃癌に対する化学療法奏功後の胃切除の有効性が報告されているが,確立したエビデンスはない.今回化学療法が著効し切除しえた切除不能進行胃癌の2例を経験したため報告する.
症例1は75歳男性.進行胃癌の診断となるも2014年4月のCTでNo.10リンパ節が50mm大に腫大しており,PET-CTで肝外側区域,肝S6,No.16リンパ節に転移を認めたため,cT4aN2M1(HEP, LYM), cStageⅣの診断で化学療法の方針となった.S1+CDDPを8コース施行後PRの評価となったが,外来化学療法を希望されSOXを2コース施行.その後再度入院化学療法を希望されたためS1+CDDPをtotal 23コース施行した.上部消化管内視鏡,CTでcCRの評価であるがCTCAE Grade 2の血小板低下あり,認知症進行もあり化学療法の継続は困難と考え,手術の方針となった.2016年12月,胃全摘(D2+No.16b1),膵体尾部脾合併切除術,肝部分切除術,胆嚢摘出術を施行した.病理診断でNo.10に1個転移を認めたが,その他は癌の遺残は認めずypT0N1M0, ypStageⅠBの診断となった.
症例2は67歳男性.2016年6月進行胃癌の診断で精査施行したところ両葉に計7個の多発肝転移を認め,cT4aN1M1(HEP),cStageⅣの診断で化学療法の方針となった.SOX+HERを10コース施行した所で2017年1月吐血出現.腫瘍からの出血のため出血control目的に手術が必要と考えた.CT検査で肝転移は消失しており,標的病変全体ではPRの評価で2017年2月17日,胃全摘術(D2-No.10),肝S4/8部分切除術,胆嚢摘出術施行.肝については術中ソナゾイド造影しS4にviableな病変が疑われたため,S8に見られた瘢痕と共に肝S4/8部分切除とした.病理診断では切除肝に腫瘍の遺残は見られず,ypT2N1M0,ypStageⅡAの診断となった.
化学療法が著効し切除しえた切除不能進行胃癌の2例を経験した.まだ確立したエビデンスはないが,今後のfollow up結果次第では,切除不能進行胃癌の術前化学療法が奏功した例では切除が選択肢となりうると考える.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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