演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

集学的加療により長期生存を得られている食道胃接合部癌術後再発の1例

演題番号 : P178-1

[筆頭演者]
田中 貴子:1 
[共同演者]
上之園 芳一:1、有上 貴明:1,2、貴島 孝:1、大久保 啓史:1、天辰 仁彦:1、川越 浩輔:1、柳田 茂寛:1、石神 純也:1、夏越 祥次:1,2

1:鹿児島大学・医学部・歯学部附属病院・消化器・乳腺甲状腺外科学、2:鹿児島大学・医学部・歯学部附属病院・分子応用外科学

 

【はじめに】胃癌術後再発症例に対しては,化学療法を中心とした治療が主体となるが,外科的切除について一定の見解は得られていないのが現状である.今回,異時性に出現した肺転移および上縦隔リンパ節再発に対し,集学的治療を行い長期生存が得られている食道胃接合部癌の1例を経験したので報告する.【症例】51歳,男性.【現病歴】2008年11月検診の胃透視にて食道胃接合部に病変を指摘され,当科紹介となった.【検査所見】上部消化管内視鏡検査では食道胃接合部領域に易出血性の1型病変を認め,生検ではtubular adenocarcinoma(tub+muc)の診断であった.【経過】食道胃接合部癌[GE,30 mm,Post,Type 1,cT2N0M0 cStageⅠB]の診断で外科的治療の方針となった.2009年1月胃全摘術+D2リンパ節郭清を施行した.最終病理はMucinous adenocarcinomaであり,深達度SM2で脈管侵襲はly1,v0であり,No.2リンパ節に転移を1個認めpStageⅠBと診断した.術後補助化学療法は行わず経過観察したが,術後1年7カ月のCT検査で右肺S9に約10 mmの結節影を指摘され,原発性との鑑別が困難であったため,右肺S9部分切除術を施行した.組織診断はMucinous adenocarcinoma[CK7(+),CK20(-),TTF-1(-),surfactant apoprotein A(-)]であり,食道胃接合部癌の肺転移再発と診断された.術後はTS-1 120 mg/body, 4投2休による補助療法を開始した.初回手術から術後4年4か月のCT検査で上縦隔リンパ節腫大を指摘されたが,PET-CT検査では異常集積を認めず,経過観察の方針とした.術後5年8カ月のCT検査で上縦隔リンパ節は増大傾向となり,PET-CT検査でも異常集積を認めた.頸部エコー下生検にてMucinous adenocarcinomaの診断で,リンパ節再発と診断した.胃原発巣はHER2スコア陰性であったが,血中循環腫瘍細胞のHER2スコア陽性より,XP+ハーセプチン療法を3コース,その後XP療法を2コース施行した.転移リンパ節の縮小を認めたため2015年4月に上縦隔リンパ節切除術を施行した。摘出リンパ節はmucinous adenocarcinomaであり胃癌からの転移と診断した.術後,上縦隔に放射線療法を計50.4Gy照射し,9月よりTS-1内服を開始したが,好中球減少と倦怠感により2か月で休薬とした.初回手術より8年3ヶ月経過しているが,再発なく無治療にて外来経過観察中である.再発に対する化学療法,放射線療法や外科的切除を組み合わせた積極的な集学的治療が予後向上に寄与したと考えられる.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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