演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

胃癌におけるCDH5蛋白発現

演題番号 : P175-7

[筆頭演者]
井ノ口 幹人:1 
[共同演者]
樋口 京子:1、谷岡 利朗:1、中川 正敏:1、奥野 圭祐:1、五木田 憲太朗:1、小嶋 一幸:2

1:東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科・消化管外科学、2:東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科・低侵襲医歯学研究センター

 

【背景】cadherin 5 (CDH5) は細胞接着に関与し、血管内皮細胞で発現しているが、癌細胞での過剰発現と増殖、浸潤、転移との関連が報告されている。今回われわれは胃癌におけるCDH5の発現と臨床病理学的因子および予後との関連を検討した。
【方法】2003年から2007年まで当科で胃癌に対して外科的切除術を施行した216例についてCDH5抗体による免疫染色法で発現を検討。腫瘍浸潤の最深部を含む切片を用い、光学顕微鏡で陽性細胞数をカウントした。Intensityを0(無発現)、1(弱),2(中等度)、3(高度)、Extensityを0(10%未満)、1(10-25%未満)、2(25-50%未満)、3(50%-75%未満)、4(75%以上)でスコア化し、両者の合計で評価し3点以上を高発現とした。
【結果】CDH5蛋白発現は51%であった。CDH5高発現は分化型(p<0.001)、腫瘍の深達度(T1 vs 2-4、p<0.001)、リンパ管侵襲(p=0.002)、脈管侵襲(p<0.001)、リンパ節転移(p=0.004)、ステージ(Stage I vs II-IV、p=0.001)、遠隔転移または遠隔再発(p<0.001)と有意に相関した。またCDH5高発現群は疾患特異的生存率(85% vs 58%、p<0.001)、無再発期間(84%vs62%、p<0.001)とも有意な低下を示した。疾患特異的生存率のCoxハザードモデルによる多変量解析では深達度(T2-4 vs T1;ハザード比(HR)=9.26、95%信頼区間(CI)2.17- 39.6、p=0.003)、リンパ節転移(HR=5.50、95%CI 2.42-12.5、p=0.001)とともにCDH5高発現は有意な独立予後因子であった(HR=2.05、95%CI 1.13-3.71、p=0.019)。無再発期間の多変量解析ではCDH5高発現は(HR=1.81、95%CI 0.97-3.39、p=0.064)で統計学的には有意な独立因子にならなかった。
【結語】CDH5は胃癌の浸潤、転移、予後に有意に関係していた。血管内皮細胞増殖因子のように分子標的薬のターゲットの候補となりうるかもしれない。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:バイオマーカー

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