演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

赤血球由来microvesiclesと胃癌及び大腸癌細胞の悪性化の関連について

演題番号 : P175-6

[筆頭演者]
有田 智洋:1 
[共同演者]
小西 博貴:1、松原 大樹:1、庄田 勝俊:1、荻野 真平:1、藤田 悠司:1、濱田 隼一:1、小菅 敏幸:1、塩崎 敦:1、窪田 健:1、藤原 斉:1、岡本 和真:1、大辻 英吾:1

1:京都府立医科大学・消化器外科

 

【背景】exosomeは多くの細胞により分泌される30~100nmの大きさの小粒子であり、細胞間情報伝達において重要な役割を果たしている。さらに癌細胞由来のexosomeは腫瘍の進行・転移を促進することが報告されている。また、近年の研究で血球細胞などの骨髄由来細胞が癌の発生や増殖に関与していることが明らかになりつつある。本研究では、胃癌および大腸癌患者の赤血球由来microvesiclesの各癌細胞の悪性化における役割について検討した。
【対象と方法】当院で手術を施行した胃癌または大腸癌患者および健常人を対象とし、術前の末梢血から採取した赤血球を細胞培養液で24時間培養した上清から、超遠心法で赤血球由来のmicroviesicles (erythrocyte-derived microvesicles, EDM)を回収した。EDMの各種細胞内への取り込みを蛍光免疫染色で観察し、またEDMの取り込みによる癌細胞の悪性度の変化を各種細胞機能assayで評価した。
【結果】PKH67で蛍光標識したEDMが各種細胞の細胞質に取り込まれていることを蛍光免疫染色で確認した。胃癌および大腸癌患者由来のEDMを胃癌・大腸癌細胞に取り込ませてWound healing assayを行ったところ、癌細胞の遊走能が亢進した。胃癌患者由来のEDMを胃癌細胞に取り込ませてInvasion, Migration assayを行ったところ、遊走能が亢進した。Adhesion assayにおいて胃癌患者由来EDMを取り込んだ胃癌細胞株は中皮細胞に対する接着能が亢進した。MTT assayにおいてEDMの癌細胞に対する増殖能の亢進作用は観察できなかった。
【結語】胃癌および大腸癌患者の赤血球由来microvesiclesは各種癌細胞の悪性化、特に遊走能、接着能に関与する可能性が示唆された。さらなる機能解析とメカニズムの解明を引き続き行っている。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:基礎腫瘍学

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