演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

胃癌術前化学療法後成績とVirtual slideによる残存腫瘍割合との関連性の検討

演題番号 : P175-4

[筆頭演者]
河合 貞幸:1,4 
[共同演者]
下田 忠和:2、寺島 雅典:3、中島 孝:2、吉田 幸生:1、川平 正博:1、川上 武志:1、白数 洋充:1、古田 光寛:1、福冨 晃:1、山﨑 健太郎:1、町田 望:1、横田 知哉:1、小野澤 祐輔:4、安井 博史:1

1:静岡県立静岡がんセンター・消化器内科、2:静岡県立静岡がんセンター・病理診断科、3:静岡県立静岡がんセンター・胃外科、4:静岡県立静岡がんセンター・原発不明科

 

背景:病理学的奏効割合は術前化学療法を行った胃癌における治療効果の指標として用いられている。しかし生命予後を予測する奏効割合の適切なcutoff値については統一した見解が得られていない。既報においてvirtual microscopic slideを用いて残存腫瘍面積の割合を測定し、残存腫瘍割合10%をcutoffとすると生命予後を反映する指標として有用である可能性が示唆された。
方法:今回我々は2009年3月~2015年5月の間に、当施設において術前化学療法後にR0切除を達成しえた胃癌患者の手術検体を後方視的に評価し、既報同様の方法で測定した10% cutoff値が実臨床においても予後予測マーカーとなりうるか、更に胃癌取扱規約14版の組織学的効果判定基準と比較して有用な予後予測因子となりうるかを探索した。原発巣の最大割面のHEスライドを画像として取込み、primary tumorous bedに対する残存腫瘍部分の面積の割合を算出した。残存腫瘍割合10%未満をresponder, 10%以上をnon-responderと定義し各々の患者の無再発生存期間、全生存期間を比較した。
結果:合計54名の患者標本を評価した。患者背景は以下の通りである。年齢中央値64歳 (範囲39-77)、ECOG PS 0 85%、4型腫瘍 18%、HER2陽性 11%、分化型 48%。NACを行った理由の内訳は、高度リンパ節転移 (bulky or 傍大動脈リンパ節転移) 53%、4型腫瘍 17%、大型3型腫瘍 13%、その他17%であった。25人がresponder、29人がnon-responderに分別され、無再発生存期間中央値は各々 中央値未達成(NA) vs. 18.2ヶ月(HR 0.35, 95%CI 0.14-0.86, p=0.023)、全生存期間中央値は各々 NA vs. 40.7ヶ月 (HR 0.3, 95%CI 0.1-0.84, p=0.016)であった。10% cutoff値は年齢、ECOG PS、肉眼型、T因子、N因子で調整しても統計学的に有意な予後因子(HR 0.23, 95%CI 0.07-0.78, p=0.018)であったが、胃癌取扱規約の組織学的効果判定基準は有意な予後因子とならなかった。
結語:Virtual slideを用いた病理学的奏効割合における10% cutoff値は術前化学療法後にR0切除を達成した胃癌患者において独立した予後予測因子であり、胃癌取扱規約の組織学的効果判定基準と比較しより有用である可能性がある。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:病理

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