演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

胃癌におけるCSF-1/CSF-1R共発現の予後マーカーとしての有用性と癌進展における機序

演題番号 : P175-3

[筆頭演者]
奥川 喜永:1,2 
[共同演者]
問山 裕二:1、森 浩一郎:1、市川 崇:1、川村 幹雄:1、安田 裕美:1、藤川 裕之:1、三枝 晋:2、吉山 繁幸:1,2、大井 正貴:1、荒木 俊光:1、田中 光司:2、井上 靖浩:1、三木 誓雄:2、楠 正人:1

1:三重大学・大学院医学系研究科・消化管・小児外科学講座、2:伊賀市立上野市民総合病院・外科

 

背景:コロニー刺激因子(Colony-stimulating factor-1;CSF-1)は,単球/マクロファージ系細胞の分化・増殖をCSF-1受容体(Colony-Stimulating Factor 1 Receptor;CSF-1R)を介して刺激するサイトカインである。近年、そのシグナルそのものが癌進展に深く関わる可能性が報告され、腫瘍微小環境における作用機序も解明されたこともあり、あらたな分子標的剤として巨細胞腫や、膠芽細胞腫、メラノーマなどを対象に開発されつつある。しかしながら胃癌におけるCSF-1/CSF-1R発現の臨床病理学的意義とその癌進展における機序は報告されていない。
対象と方法:2000年から2009年に手術施行された胃癌患者148例を対象に,CSF-1ならびにCSF-1Rの胃癌組織における発現をquantitative PCR法ならびに免疫染色で測定し、臨床病理学的意義を検討した。また胃癌細胞株にrecombinant CSF-1ならびにCSF-1R inhibitorを用いることで、増殖能、遊走能、ならびにアノイキス抑制能におけるCSF-1/CSF-1R axisの機能解析を行った。
結果:胃癌組織におけるCSF-1ならびにCSF-1R高発現群はともに,臨床病理学的因子において、リンパ節転移(p=0.03, 0.02)、腹膜播種転移(p=0.03, 0.02)、病期分類(p=0.003, 0.005)と有意な相関を示した。また予後解析において、無再発生存期間(DFS; p<0.001, p<0.001), 全生存期間(OS; p=0.037, p=0.016)において、いずれも高発現群は有意な予後不良を示し、多変量解析においてCSF-1/CSF-1R共発現は、OS, DFSに対する独立予後規定因子となり(p=0.038, 0.004)、リンパ節転移・腹膜播種に対する独立危険因子を示した(p=0.003, 0.026)。In vitroにおいて、CSF-1刺激は増殖能、遊走能、anoikis抑制を誘導し、CSF-1R拮抗薬はこれらを抑制した。
考察: 胃癌におけるCSF-1/CSF-1R発現はハイリスク患者群の同定マーカーとなりうるとともに、あらたな治療標的となりうる可能性が示唆された.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:トランスレーショナルリサーチ

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