演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

胃癌における癌精巣抗原の発現と臨床病理学的検討について

演題番号 : P175-2

[筆頭演者]
二渡 信江:1 
[共同演者]
福山 隆:2、信太 昭子:3、高橋 禎人:4、西 八嗣:4、小林 憲忠:2、山崎 等:5、渡邊 昌彦:3

1:独立行政法人国立病院機構相模原病院・外科、2:北里大学・北里研究所メディカルセンター病院・バイオ、3:北里大学・医学部・外科、4:北里大学・北里研究所メディカルセンター病院・外科、5:北里大学・北里研究所メディカルセンター病院・病理学

 

【背景および目的】癌精巣抗原は、さまざまな癌組織や精巣の生殖系細胞前駆体に発現し、成人正常体細胞には発現していない抗原の総称である。Kitakyushu lung cancer antigen-1 (KK-LC-1)は、肺癌での発現が報告されている癌精巣抗原である。近年、我々は胃癌におけるKK-LC-1の発現率が81.6%と高いことを報告した。本研究は、胃癌のKK-LC-1を含む癌精巣抗原(MAGE-A1, MAGE-A3, NY-ESO-1)の発現を測定し、臨床病理学的因子との関連性について検討した。
【方法】2011年6月から2014年3月までの胃癌手術症例134例のうち、検索可能であった83例の癌組織を用いて、癌精巣抗原の発現を調査した。癌組織からRNAを抽出し、cDNAを合成した。合成したcDNAを用いて、KK-LC-1の発現を従来のPCR法にて測定した。PCR法にて40cycle反応におけるバンドの検出により陽性と判定した。また、MAGE-A1、MAGE-A3およびNY-ESO-1の発現については、リアルタイムPCR法にて発現の有無を判定した。それぞれの癌精巣抗原発現陽性例と陰性例で臨床病理学的因子を比較検討した。
【成績】KK-LC-1、MAGE-A1、MAGE-A3、NY-ESO-1遺伝子の発現は、それぞれ66例(79.5%)、27例(32.5%)、33例(39.8%)、13例(15.7%)であった。KK-LC-1の発現は臨床病理学的因子で有意差は認めなかった。MAGE-A1、MAGE-A3はリンパ管侵襲、脈管侵襲陽性症例に多く発現していた。MAGE-A3、NY-ESO-1では、高齢者に発現が多くみられた。また、StageⅠ胃癌(34例)では、KK-LC-1、MAGE-A1、MAGE-A3、NY-ESO-1遺伝子の発現は、それぞれ27例(79.4%)、8例(23.5%)、9例(26.5%)、3例(8.8%)に認められた。KK-LC-1はStageⅠ胃癌でも発現率が高かった。
【結論】胃癌でのKK-LC-1の発現は他の癌精巣抗原と比較しても高値であった。さらに、KK-LC-1は臨床病理学的因子では有意差を認めなかったが、他の癌精巣抗原と比較し、StageⅠで発現率が高かった。KK-LC-1は早期胃癌の診断や、胃癌ハイリスク患者のよいバイオマーカーになる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:バイオマーカー

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